原付スクーターといえば、「燃費が良くて経済的」というイメージを持つ人が多いでしょう。実際、近年の4スト50ccモデルはリッター50〜70kmを走る優等生も少なくありません。ところが一方で、「えっ、50ccなのにリッター20km台しか走らないの!?」という、驚くほど燃費の悪いモデルも存在します。
その背景には、
- 2ストロークエンジン特有の燃費の悪さ
- 車体重量や空気抵抗の大きさ
- スポーツ走行向けに出力を高めた仕様
といった要因があります。
この記事では、中古市場でも比較的入手しやすいモデルを含め、**実測燃費を重視して選んだ「燃費が悪い50cc原付スクーターTOP10」**を紹介します。レトロで可愛いモデルから業務用三輪まで、意外な「燃費ワースト常連」が勢揃いします。
燃費が悪い50cc原付スクーターランキング一覧
| ランク | モデル名 | メーカー | 実測燃費 | カタログ燃費 | 車両重量 | 最高出力 | タンク容量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ビーノ(2スト) | ヤマハ | 約21.5 km/L(悪化時12台) | 47.0 km/L | 約70 kg | 約6.3 PS | 約6.0 L |
| 2 | ヴェルデ(2スト) | スズキ | 約20 km/L | 59.0 km/L | 約72 kg | 約6.3 PS | 約5.5 L |
| 3 | ジョーカー50(2スト) | ホンダ | 約20〜22 km/L | 49.0 km/L | 約89 kg | 約4.9 PS | 約5.8 L |
| 4 | ライブディオZX(2スト) | ホンダ | 約18〜25 km/L | 46.3 km/L | 約76 kg | 約7.2 PS | 約5.3 L |
| 5 | ジョグ(2スト各種) | ヤマハ | 約15〜25 km/L | 〜60 km/L | 約70〜75 kg | 約7.0〜7.2 PS | 約4〜5 L |
| 6 | ジャイロキャノピー(2スト) | ホンダ | 約20〜30 km/L | 41.9 km/L | 約125 kg | 約5.0 PS | 約7.3 L |
| 7 | スーナー50S(2スト) | KYMCO | 約20〜22 km/L | 〜55 km/L | 約80〜85 kg | 約7.0 PS | 約5.0 L |
| 8 | レッツII(2スト) | スズキ | 約21〜30 km/L | 59.0 km/L | 約72 kg | 約6.8 PS | 約5.5 L |
| 9 | DD50(2スト) | SYM | 約25〜30 km/L | 〜50 km/L | 約70 kg | 約7.2 PS | 約5.0 L |
| 10 | スマートディオ Z4(4スト) | ホンダ | 約28〜36 km/L | 35.0 / 定地75.0 km/L | 約77 kg | 約5.0 PS | 約5.0 L |
第1位:ヤマハ ビーノ

| モデル名 | ヤマハ ビーノ(初代 2スト 5AU系) |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 実測燃費 | 約 21.5 km/L(悪化時 12 km/L 台の報告あり) |
| カタログ燃費 | 47.0 km/L(30km/h 定地) |
| 車両重量 | 約 70 kg |
| 最高出力 | 約 6.3 PS / 7,000 rpm |
| タンク容量 | 約 6.0 L |
レトロデザインで今なお人気の高い初代ビーノですが、燃費面では堂々のワースト1位。
- 実測燃費: 約21.5 km/L(12 km/L台との声も)
- カタログ燃費: 47.0 km/L
- 重量: 70 kg
- 最高出力: 6.3 PS
- タンク容量: 6.0 L
2ストロークらしい元気な走りと可愛い外観が魅力ですが、リッター20km前後しか走らないこともあり、軽自動車並みの燃費の悪さと揶揄されることもあります。航続距離は100km強と短めで、日常使いだと給油の頻度が高くなります。
- おすすめの人: デザイン性重視で街乗り中心の人
- 燃費改善法: 急加速を控え、オイル・プラグ・エアクリの定期点検
第2位:スズキ ヴェルデ

| モデル名 | スズキ ヴェルデ(CA1MA) |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 実測燃費 | 約 20 km/L 前後 |
| カタログ燃費 | 59.0 km/L(30km/h 定地) |
| 車両重量 | 約 72 kg(装備) |
| 最高出力 | 約 6.3 PS / 6,500 rpm |
| タンク容量 | 約 5.5 L |
スズキのレトロスクーター「ヴェルデ」も、燃費の悪さで有名です。
- 実測燃費: 約20 km/L
- カタログ燃費: 59.0 km/L
- 重量: 72 kg
- 最高出力: 6.3 PS
- タンク容量: 5.5 L
カタログ燃費は優秀ですが、実測では半分以下しか走らないケースも。可愛い外観に惹かれて買うと、燃費の悪さに驚く人が少なくありません。
- おすすめの人: レトロ感を楽しみたいライダー
- 燃費改善法: キャブ清掃・マフラー整備・積載軽減
第3位:ホンダ ジョーカー50

| モデル名 | ホンダ ジョーカー50(AF42) |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 実測燃費 | 約 20〜22 km/L |
| カタログ燃費 | 49.0 km/L(30km/h 定地) |
| 車両重量 | 約 89 kg(装備) |
| 最高出力 | 約 4.9 PS / 5,750 rpm |
| タンク容量 | 約 5.8 L |
アメリカン風スクーターとして異彩を放ったジョーカー50。重厚な見た目と引き換えに燃費は厳しい結果に。
- 実測燃費: 20〜22 km/L
- カタログ燃費: 49.0 km/L
- 重量: 89 kg
- 最高出力: 4.9 PS
- タンク容量: 5.8 L
車体が重く、パワーも自主規制で抑えられているため、走行中は常にアクセルを開け気味。結果として燃費はリッター20km台前半が精一杯です。
- おすすめの人: スタイル重視・短距離用途
- 燃費改善法: 穏やかな発進・定速巡航・空気圧管理
第4位:ホンダ ライブディオ ZX

| モデル名 | ホンダ ライブディオ ZX(AF35) |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 実測燃費 | 約 18〜25 km/L |
| カタログ燃費 | 46.3 km/L(30km/h 定地・参考) |
| 車両重量 | 約 76 kg(装備) |
| 最高出力 | 約 7.2 PS / 7,000 rpm |
| タンク容量 | 約 5.3 L |
90年代を代表する原付最速マシン。加速性能は抜群ですが燃費は犠牲になっています。
- 実測燃費: 18〜25 km/L
- カタログ燃費: 46.3 km/L
- 重量: 約76 kg
- 最高出力: 7.2 PS
- タンク容量: 5.3 L
街乗りではリッター20kmを割ることも珍しくなく、ガソリン代はかさみます。
- おすすめの人: 走り重視の若者や趣味ライダー
- 燃費改善法: 駆動系の整備・一定速度巡航
第5位:ヤマハ ジョグ

| モデル名 | ヤマハ ジョグ(2スト Z/ZR 系 含む) |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 実測燃費 | 約 15〜25 km/L |
| カタログ燃費 | 〜60 km/L(30km/h 定地・参考) |
| 車両重量 | 約 70〜75 kg(型式差) |
| 最高出力 | 約 7.0〜7.2 PS(型式差) |
| タンク容量 | 約 4〜5 L 台 |
通学スクーターとして大人気だったジョグシリーズも、燃費はイマイチ。
- 実測燃費: 15〜25 km/L
- カタログ燃費: 約60 km/L
- 重量: 70 kg台
- 最高出力: 7.0〜7.2 PS
- タンク容量: 4〜5 L
軽快な走りは魅力ですが、日常の燃費は平均してリッター20km前後。
- おすすめの人: 機動力重視・チューニングベース
- 燃費改善法: 駆動系メンテ・高回転走行を控える
第6位:ホンダ ジャイロキャノピー

| モデル名 | ホンダ ジャイロキャノピー(2スト TA02系) |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 実測燃費 | 約 20〜30 km/L(業務使用で 20 km/L 程度の例) |
| カタログ燃費 | 41.9 km/L(30km/h 定地・年式による) |
| 車両重量 | 約 125 kg(乾燥)/装備 130 kg 超 |
| 最高出力 | 約 5.0 PS / 6,500 rpm |
| タンク容量 | 約 7.3 L |
業務用三輪スクーターとして有名なモデル。屋根付きで利便性は高いですが燃費は厳しめ。
- 実測燃費: 20〜30 km/L
- カタログ燃費: 41.9 km/L
- 重量: 約125 kg
- 最高出力: 5.0 PS
- タンク容量: 7.3 L
デリバリーで酷使されることも多く、実燃費はリッター20km前後に落ちることも。
- おすすめの人: 実用性重視・配達用途
- 燃費改善法: 空気圧点検・アイドリング短縮
第7位:キムコ スーナー50S

| モデル名 | KYMCO スーナー50S |
|---|---|
| メーカー | KYMCO(キムコ) |
| 実測燃費 | 約 20〜22 km/L |
| カタログ燃費 | 〜55 km/L(定地推定) |
| 車両重量 | 約 80〜85 kg |
| 最高出力 | 約 7.0 PS(推定) |
| タンク容量 | 約 5.0 L |
台湾メーカーKYMCOの50ccスクーター。車体が大柄で燃費は悪め。
- 実測燃費: 20〜22 km/L
- カタログ燃費: 約55 km/L(推定)
- 重量: 約85 kg
- 最高出力: 約7.0 PS
- タンク容量: 約5.0 L
国産に比べ燃費効率が低く、街乗りでは20km台前半で落ち着きます。
- おすすめの人: 海外スクーターの個性を楽しみたい人
- 燃費改善法: キャブ調整・信号待ちアイドリングカット
第8位:スズキ レッツII

| モデル名 | スズキ レッツII(CA1PA 他) |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 実測燃費 | 約 21〜30 km/L(例:21.6 km/L 報告あり) |
| カタログ燃費 | 59.0 km/L(30km/h 定地) |
| 車両重量 | 約 72 kg(装備) |
| 最高出力 | 約 6.8 PS / 6,500 rpm |
| タンク容量 | 約 5.5 L |
低価格で人気を集めたモデルですが、燃費面では不満も。
- 実測燃費: 21〜30 km/L
- カタログ燃費: 59.0 km/L
- 重量: 72 kg
- 最高出力: 6.8 PS
- タンク容量: 5.5 L
安価で手軽ですが、実測は25 km/L前後と、期待するほどの低燃費ではありません。
- おすすめの人: 安さ重視・初心者向け
- 燃費改善法: 定期メンテナンス・マフラー清掃
第9位:SYM DD50

| モデル名 | SYM DD50 |
|---|---|
| メーカー | SYM(台湾・三陽工業) |
| 実測燃費 | 約 25〜30 km/L(慣らし 40km/h 巡航で 30 km/L 例) |
| カタログ燃費 | 〜50 km/L(定地推定・Dio系相当) |
| 車両重量 | 約 70 kg(推定) |
| 最高出力 | 約 7.2 PS(推定) |
| タンク容量 | 約 5.0 L |
ホンダDio系をベースにしたSYMのスクーター。
- 実測燃費: 25〜30 km/L
- カタログ燃費: 推定50 km/L前後
- 重量: 約70 kg
- 最高出力: 7.2 PS
- タンク容量: 約5.0 L
国産より燃費が悪いという評価が多く、慣らし運転でもリッター30km程度。
- おすすめの人: 個性派・輸入車好き
- 燃費改善法: プラグ点検・キャブ再セッティング
第10位:ホンダ スマートディオ Z4

| モデル名 | ホンダ スマートディオ Z4(AF57 FI) |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 実測燃費 | 約 28〜36 km/L(実測 28 km/L 報告あり) |
| カタログ燃費 | 35.0 km/L(WMTC相当・参考)/定地 75.0 km/L |
| 車両重量 | 約 77 kg(装備) |
| 最高出力 | 約 5.0 PS / 8,000 rpm |
| タンク容量 | 約 5.0 L |
唯一の4ストモデルながら、燃費は2スト並みに悪いと評判。
- 実測燃費: 28〜36 km/L
- カタログ燃費: 35.0 km/L
- 重量: 77 kg
- 最高出力: 5.0 PS
- タンク容量: 5.0 L
インジェクション採用ながらリッター30km前後に落ち着き、4スト期待組には物足りない結果です。
- おすすめの人: 静粛性とパワーを両立したい人
- 燃費改善法: 急加速を避け、インジェクター清掃
まとめ
50cc原付スクーターの燃費ワーストランキングを振り返ると、上位は2ストロークエンジン搭載モデルが独占しました。とくに90年代のレトロスクーターやスポーツ志向モデルは、実測燃費が20km/L前後と軽自動車並み。
ただし、燃費が悪いモデルほど「加速が良い」「デザインが魅力的」「積載や安定感に優れる」といった長所も持っています。つまり、燃費の悪さ=欠点だけではなく、その分楽しさや個性を得られるということです。
原付を選ぶ際には、「燃費の良さを取るか」「走りやスタイルを取るか」、自分のライフスタイルに合わせて判断するのがベストです。













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