長年カメラをいくつも使ってきた私ですが、Pentax K-01は初めて見た瞬間から忘れられない存在でした。まるで家電のような直線的なボディライン、そしてカメラデザインの巨匠マーク・ニューソンによる独創的な外観。発売当時から「賛否両論」を巻き起こしたモデルですが、実際に使ってみると見た目以上に実力を秘めています。とはいえ、最新機種と比べれば不便な点も多く、万人向けではありません。この記事では、K-01を実際に使用した感想を交えつつ、魅力と弱点を正直にお伝えします。
このカメラの特徴と第一印象
Pentax K-01は、Kマウントレンズがそのまま使えるミラーレスという珍しい存在。ミラーレス機ながらボディが一眼レフ並みに大きく、ずっしりとした安心感があります。初期設定は比較的シンプルで、Pentax特有の落ち着いた色味のJPEG描写が好印象でした。一方、シャッター音は少し大きめで、静かな場所では気になるかもしれません。外観はかなり個性的で、街中で構えると必ず「それ何のカメラ？」と聞かれるほど存在感があります。
実際に使って良かった点（強み）
独特なデザイン性
著名デザイナー、マーク・ニューソンによる外観は、他社のどのカメラとも似ておらず、一目でK-01とわかる存在感。街中で構えると必ずといっていいほど話しかけられ、撮影自体がコミュニケーションのきっかけになる。
Kマウントレンズ資産の活用
ペンタックスの一眼レフ用レンズがそのまま装着できるため、既存ユーザーにとっては資産をフル活用できる。特に単焦点やマニュアルレンズの描写を活かす撮影スタイルに相性が良い。
色再現の良さ
ペンタックスらしい深みのあるナチュラルな色味は、JPEG撮って出しでも十分満足できるクオリティ。特に青空や紅葉など自然風景での発色が美しく、後処理の手間を減らせる。
しっかりしたグリップ感
直線的なデザインながらも意外と握りやすく、重量感がある分、ブレを抑えて安定して構えられる。
独創的なインターフェース
UIやボタン配置が他機種と異なるため、慣れるまで時間はかかるが、自分の手に馴染めば操作が直感的でスピーディになる。
使って気になった点（弱み）
大柄なボディ
ミラーレス機にもかかわらず、ボディサイズは一眼レフ並み。特に持ち歩きメインの人や旅行用カメラを探している人には携帯性の面で不向き。
AF速度の遅さ
コントラストAF方式のため、動く被写体を追うとピント合わせに時間がかかり、スポーツや子ども・ペット撮影ではストレスになることがある。
ファインダーがない
背面液晶のみで構図を確認するため、強い日差し下では画面が見えづらく、構図決定に時間がかかる場面が多い。
バッテリー持ちが短い
実際の撮影ではカタログスペックよりも早く電池が切れる印象で、予備バッテリーは必須。特に動画撮影やライブビュー連続使用では消耗が激しい。
発売から年数が経過
2012年発売で既に生産終了しており、修理対応や部品供給が難しくなっている。中古購入時は動作確認や外観の状態チェックが欠かせない。
Pentax K-01スペック表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| センサー | APS-C CMOSセンサー |
| 有効画素数 | 1628万画素 |
| 動画性能 | フルHD 1080p / 30fps |
| 手ブレ補正 | ボディ内（3軸） |
| 重さ | 約560g（バッテリー込） |
| バッテリー | D-LI90、約500枚撮影 |
| 発売日 | 2012年3月（生産終了） |
| 中古価格 | 約2〜3万円（2025年8月時点） |
↓詳しいレビュー記事はこちらを確認↓
旧モデルとの進化点
K-01はミラーレスとしては初のKマウント採用機で、既存のPentaxユーザーが手持ちのレンズを活用できる点が最大の進化ポイント。前モデルにあたるミラーレス「Pentax Qシリーズ」と比べ、センサーサイズが大きく画質が大幅向上しています。
他機種との比較（Pentax Q-S1・Sony NEX-5・Canon EOS M）
| モデル名 | 発売年 | センサーサイズ | 有効画素数 | 重量（バッテリー込） | ファインダー | AF方式 | 動画性能 | 手ブレ補正 | 平均価格（2025年8月時点） |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Pentax K-01 | 2012年 | APS-C | 1628万画素 | 約560g | なし | コントラストAF | フルHD 30p | なし | 中古：約35,000円 |
| Pentax Q-S1 | 2014年 | 1/1.7型 | 1240万画素 | 約203g | なし | コントラストAF | フルHD 30p | なし | 中古：約25,000円 |
| Canon EOS M | 2012年 | APS-C | 1800万画素 | 約298g | なし | コントラストAF | フルHD 30p | なし | 中古：約28,000円 |
| Sony NEX-5 | 2010年 | APS-C | 1420万画素 | 約287g | なし | コントラストAF | フルHD 60i | なし | 中古：約20,000円 |
購入者の口コミまとめ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| デザインが唯一無二で愛着が湧く | オートフォーカスが遅い |
| Kマウントレンズがそのまま使える | ボディが重く携帯性が低い |
| 色味が自然で風景撮影に向く | ファインダーがなく屋外で見づらい |
総評｜こんな人におすすめ
- 他と被らないカメラを持ちたい人
- 既にPentax Kマウントレンズを所有している人
- ゆっくり構えて撮影するスタイルの人
- デザイン性を重視する人
- 生産終了モデルでも価値を感じられる人
まとめ
Pentax K-01は、万人受けはしませんが、ハマる人には深く刺さる「趣味性の高いカメラ」です。最新モデルのようなAF速度や軽量性は期待できませんが、独特のデザインや色味、Kマウント資産を活かせる利点は唯一無二。中古価格も手頃になっており、今でも根強いファンがいるのも納得です。ただし、生産終了モデルゆえにメンテナンスや部品供給の面でリスクがあるため、購入時は状態をよく確認することをおすすめします。
コメント