ホンダ ジョーカー50は、1990年代から2000年代にかけて人気を博したクラシックスクーター。丸型ヘッドライトや曲線デザイン、落ち着いた雰囲気は今なお根強いファンを持ちます。
現行車とは異なる味わい、扱いやすさ、そしてメンテ性という点で「古き良きスクーター」として評価される一方、燃費性能や装備、部品入手性などで後悔するケースもあります。
本記事では、ジョーカー50のスペックやオススメ層、後悔しやすいポイント、壊れやすさ、カスタム、ライバル比較、口コミ、評価、中古市場を整理し、最後に後悔を避けるためのまとめを提示します。
ジョーカー50のスペック
| 項目 | 数値・内容(参考) |
|---|---|
| エンジン | 50cc 単気筒(初期:2スト/後期に4スト系も流通あり) |
| 最高出力 | 約5〜7 PS(年式・仕様・状態で差) |
| 最大トルク | 〜0.7 kgf·m級(参考値) |
| 車両重量 | 約80〜90 kg(参考) |
| 実測燃費 | 2スト:20〜35 km/L / 4スト:40〜50 km/L(目安) |
| 始動方式 | セル/キック(年式差あり) |
| ブレーキ | 前後ドラム(前期)/前ディスク+後ドラム(流通差) |
| 装備 | アナログメーター/クラシック外装/リアキャリア 等 |
| 新車時価格 | —(生産終了。中古相場は下表参照) |
ジョーカー50は空冷2スト(または後期4ストモデルも有)単気筒50ccエンジンを搭載しています。初期2ストモデルは軽快な加速感と音・振動のノスタルジックさを武器にしています。
最高出力は5〜7PS前後(仕様・年式で変動)、最大トルクも0.5〜0.7 kgf·m 前後。車体重量は約80〜90kg前後で軽め。
ブレーキは前後ドラム(初期型)または一部後期で前ディスク/後ドラム。灯体やメーターはクラシックなアナログ仕様で、USBなどの現代装備は基本非搭載。
燃費はモデルや整備状態に依存しますが、2スト期モデルでは実測で20〜35km/L から、整備良好な4スト化モデルは40〜50km/L を超えることもあります。
クラシック路線ゆえ、装備は最小限。雰囲気と走りを楽しむ方向で選ぶのが評価を外さないコツです。
オススメな人
| タイプ | 理由(評判・評価の傾向) |
|---|---|
| レトロ・クラシック重視 | 丸目×ロング&ローな外装で所有満足の評判が高いです。 |
| 街乗り短距離派 | 取り回しが容易で、信号ダッシュや路地で扱いやすい評価です。 |
| 整備を楽しめる人 | キャブ・点火・駆動の手入れで調子が戻りやすく“育てる”楽しみがあります。 |
| 写真映え・週末用途 | 雰囲気が“映える”ため、SNSや撮影目的で高評価です。 |
- レトロデザインを愛する人:丸型ライトやクラシックな造形がスタイル重視派に刺さります。
- 街乗り・短距離移動重視の人:信号ダッシュや取り回しが軽快、街中で気軽に使いやすい。
- 整備を楽しめる人:キャブや点火系、古め車両の手入れに興味がある方なら満足度が高い。
- 通勤・移動用途をクラシカルに:最新装備を求めず、雰囲気と実走感を価値とできる人には後悔が少ない選択肢です。
後悔するポイント
| ポイント | 回避策・チェック観点(まとめ) |
|---|---|
| 燃費・排気・におい(2スト) | 2スト特性を理解。プラグ/燃調管理と短距離用途で評価安定。 |
| 装備の古さ | USB/LED/スマートキー等は原則なし。後付けで補う前提に。 |
| 部品入手性 | 消耗品の確保と納車整備・保証の有無を確認。代替品の可否も要点検。 |
| 制動・サス性能 | 速度は控えめに。タイヤ・ブレーキ・ショックの刷新で後悔を減らせます。 |
- 燃費・排ガス性能:特に2ストモデルは燃費悪化や白煙・臭いに敏感な方には厳しい評価が出やすい。
- 装備の古さ:USB電源・LED・スマートキー・ABSといった現代的装備は基本非搭載。
- 部品入手性:生産終了から時間が経過しており、消耗パーツ(ケーブル・ゴム・電装)が入手困難な場合あり。
- 快適性・制動力:ブレーキ性能や衝撃吸収性は現代車に劣る。速度を出しすぎると不安を感じる場面も。
壊れやすさ
| 部位 | 症状/傾向 | 対策 | 目安費用 |
|---|---|---|---|
| キャブ/燃料系 | 詰まり・始動性低下・吹け不良 | 分解清掃・ジェット最適化・フロート交換 | 5千〜1.5万円 |
| 点火・電装 | 配線劣化・レギュ不良・灯火トラブル | 端子補修・配線見直し・部品交換 | 5千〜2万円 |
| 駆動系 | ベルト/WR/クラッチ摩耗で発進悪化 | 2万km目安で点検・交換 | 1.5〜3万円 |
| 足回り | ショック/ブッシュのへたり | ショック交換・ブッシュ更新 | 1.5〜3万円 |
致命的な壊れやすさというより、年式相応の劣化が主です。キャブ詰まり、パッキン劣化、燃料ホース硬化、ケーブル固着、ハーネス劣化が典型例。
2スト期モデルでは、リードバルブ劣化、オイル分離機構の不調、点火系コンデンサー・コイル劣化、キャブのジェット詰まりが定番トラブル。
駆動系(Vベルト・クラッチシュー・ウエイトローラー)や足まわり(サス・ブッシュ・タイヤ)も劣化が進みやすく、定期的なリフレッシュが評価を維持する鍵です。
重要ポイントは「購入車両の状態差が大きい」こと。整備履歴と現車チェックを重視すると、後悔を抑制できます。
カスタムパーツ
| カテゴリ | 内容 | 目安価格 | 効果/評価 |
|---|---|---|---|
| 安全/実用リフレッシュ | 新品タイヤ/ブレーキ/ワイヤー類刷新 | 1〜4万円+ | “走る・止まる”が改善し後悔が減ると評判です。 |
| 電装/快適 | LED灯体・USB電源・スマホマウント | 5千〜1.5万円 | 現代的に使いやすくなり総合評価が向上します。 |
| 外観/雰囲気強化 | メッキパーツ・レトロミラー・サドルカバー | 3千〜1万円 | 所有満足の評判が上がりやすいです。 |
| 駆動・吸排気の味付け | WR重量最適化・穏やかな吸排気調整 | 5千〜2万円 | やり過ぎは信頼性低下で後悔要因になります。 |
まずは安全・実用性のリフレッシュが鉄則。
・新品タイヤ/ブレーキシュー/ワイヤー/ケーブル類交換
・キャブ分解清掃・ジェット最適化
・LED灯体化(配光と法規に注意)
・USB電源追加・スマホホルダー設置(配線はしっかり処理)
次に外観演出。クラシックミラー、メッキパーツ、レトロステッカー、サドルカバーなどで雰囲気を強化。
最後に駆動系味付け。軽快感を出す程度のベルト・ローラー変更はOK。ただし無理なセッティングは耐久性を犠牲にし、後悔要因になり得ます。
ライバル比較
| 項目\車種 | ジョーカー50(Honda) | ビーノ(Yamaha/2スト期) | ジョルノ(Honda/2スト期) | 現行4スト50(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 発進の軽快さ | ★★★★☆(2スト系で元気) | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 燃費・静粛性 | ★★★☆☆(4スト化個体は向上) | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 装備/実用 | ★★★☆☆(当時基準) | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆(USB等も) |
| レトロ雰囲気 | ★★★★★(独自のロング&ロー) | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| 整備/維持難度 | 中(旧車前提) | 中 | 中 | 低 |
ヤマハ ビーノ(2スト期):同じレトロ系。部品流通量が比較的多く安心感あり。
ホンダ ジョルノ(2スト期):丸型スクーター系統の代表。外観・部品供給性で優勢な点あり。
現行4スト50ccスクーター:燃費・静粛性・快適装備では圧勝。ただし“味”は違うジャンル。
ジョーカー50は見た目や走りの個性で差別化できるモデル。実用性重視なら現行車、個性重視ならジョーカー50という住み分けです。
口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 見た目が唯一無二で所有満足が高い。 2ストらしい軽快な走りが楽しい。 シンプル構造で手を入れる楽しみがある。 写真映えして乗るたびに気分が上がる。 | 燃費・白煙・においが気になる。 部品調達や修理費が想定よりかかった。 ブレーキ/サスが現代基準だと弱い。 現代装備がなく不便に感じることがある。 |
良い口コミ
- レトロ感と所有感が強く、見た目が好きで所有満足度高い。
- 2ストらしい軽快な加速・フィーリングを楽しめる。
- シンプル構造で手を入れる楽しみもあり、調子の戻る比率が高い。
悪い口コミ
- 燃費悪化や白煙が気になる場面があった。
- 部品調達に苦労し、修理費が予想以上にかかった。
- ブレーキ・サスは現代基準で物足りないと感じた。
- 古い車体ゆえ電装トラブルやケーブル劣化で悩むことあり。
評価
| 項目 | 星 | コメント |
|---|---|---|
| デザイン/雰囲気 | ★★★★★ | ロング&ローの独特な存在感で評判が高いです。 |
| 街乗りの軽快さ | ★★★★☆ | 短距離・市街地での扱いやすさが評価されます。 |
| 快適装備/実用性 | ★★☆☆☆ | 現代装備は少なく、後付け前提です。 |
| 整備・維持難度 | ★★★☆☆ | 手をかければ評価は安定します。 |
| コスパ(総合) | ★★★☆☆ | 初期整備込みで見ると妥当。雰囲気の価値次第です。 |
- デザイン/雰囲気:★★★★★(レトロ好きにはたまらない)
- 街乗り軽快さ:★★★★☆(2ストの元気さが評価)
- 快適装備/実用性:★★☆☆☆(現代装備は期待禁物)
- 整備性/維持:★★★☆☆(手をかけられるなら高評価)
- コスパ(総合):★★★☆☆(初期整備込みで評価が左右される)
ジョーカー50は“味わい重視”の選択。価値軸が合えば後悔しにくいモデルです。
中古市場
| 状態/年式帯 | 走行距離目安 | 相場目安 | 狙い目ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 整備済み良好個体 | 〜1.5万km | 15〜28万円 | 駆動・足回り・電装リフレッシュ/保証付き | 総コストで後悔しにくく評価が安定します |
| 現状販売・要整備 | 不明〜多走行 | 5〜18万円 | 外装良好・錆少なめのベース車 | 初期整備一式で高くつく“後悔パターン”に要注意 |
流通は限定的ですが、根強い人気のある車種です。価格は状態・整備度・外観・走行距離で幅が大きく変動。
買うなら整備履歴が明確な車両、または納車整備込み・保証付きの店で選ぶのが安全。
部品調達性は年式と地域に左右されるため、レストア前提・予備部品確保を前提に考える必要があります。
価格相場は10〜25万円前後(年式・状態により変動)という範囲が多く、状態良好な個体は人気のため早めに売れる傾向があります。
まとめ
ホンダ ジョーカー50は、クラシック感・雰囲気・フィーリング重視派にとって魅力的な一台です。
静粛性や快適性、燃費を重視する人には不向きですが、「走る味」「見た目」「育てる楽しみ」を重視すれば非常に魅力的な選択と言えます。
後悔回避のポイント(まとめ)
- 整備履歴・状態判定重視で個体を選ぶ
- 安全性リフレッシュ(制動・タイヤ・配線)は最優先で実施
- 期待値を“味わいと見た目”に合わせ、過度な装備や速度性能を求めない
この3点を押さえて選ぶと、ジョーカー50は「まとめ」たいくつもの評価を裏切らず、愛着ある相棒になる可能性が高くなります。




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