Honda NC750Xは、通勤からツーリング、さらにはちょっとした林道探索まで対応できる万能クロスオーバーバイクです。745ccの並列2気筒エンジンは低回転トルクを重視しており、扱いやすさと燃費の良さに定評があります。特にDCT（デュアルクラッチトランスミッション）仕様はクラッチ操作不要で街乗りや渋滞に強く、幅広い層から支持を受けています。一方で、高回転域での伸びやスポーツ性能を求めすぎると「物足りない」と感じることも。実用性と快適性を重視する人にとって、NC750Xは後悔しにくい選択肢です。
【この記事でわかること】
- NC750Xの基本性能と実用性の特徴
- どんなライダーにおすすめか
- 後悔ポイントとその対策方法
- 壊れやすさの傾向と予防策
- カスタムパーツの充実度
- ライバル車種との比較（V-Strom650／Versys650／Tracer7など）
- 口コミからわかるリアルな評価
- 総合評価と中古市場の動向
このバイクがオススメな人
| ターゲット | 利用シーン | 重視ポイント | NC750Xが合う理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 通勤＋週末ツーリング派 | 平日通勤・週末ロング | 燃費・疲れにくさ | 低回転トルクとアップライト姿勢で楽に走れます | 高速巡航は防風装備の追加が有効です |
| DCTで楽に乗りたい人 | 渋滞・市街地 | 操作の容易さ | DCTでクラッチ操作不要、ストップ＆ゴーに強いです | MT的な“操作する楽しさ”は薄く感じることがあります |
| 積載と実用重視 | 買い物・通院・日常使い | 積載力・扱いやすさ | フロントラゲッジと低重心で取り回しが容易です | スポーツ走行の刺激は控えめです |
NC750Xは「毎日の通勤や買い物で気軽に使いたい」「ロングツーリングを快適に楽しみたい」「積載力と燃費を重視したい」というライダーに最適です。大容量のフロントラゲッジスペースはヘルメット収納も可能で、日常使いの利便性は抜群。アップライトなポジションと低重心設計で取り回しも容易です。落ち着いた性格のため、初めての大型バイクとしても安心感があります。
このバイクで後悔するポイント
| 後悔ポイント | 現象/理由 | 対策・代替案 |
|---|---|---|
| 高回転の物足りなさ | エンジン特性が実用トルク寄り | 走りの期待値を整理・スポーツ寄り車種と比較検討 |
| 足回りのソフトさ | 荒れた路面や荷重時に腰砕け感 | リアショック更新・プリロード/減衰の調整 |
| DCTの好み分かれ | 操作介入が気になる場合あり | 試乗で相性確認・MT版も検討 |
| 防風性の不足 | 標準スクリーンは控えめ | ハイ/ツーリングスクリーン導入・ナックルガード |
NC750Xでよく挙げられる「後悔」は、高回転域での物足りなさです。スポーツ走行や峠で回す楽しみを期待すると、エンジン特性が大人しすぎると感じることがあります。また、足回りは柔らかめでハードに攻めると不足を感じやすい点も指摘されています。さらにDCT仕様は渋滞や街乗りでは便利ですが、マニュアル操作感を楽しみたい人には合わないケースも。自分が重視するポイントを整理することが大切です。
壊れやすさ（傾向）
| 部位 | 症状例 | 発生傾向 | 予防・対策 |
|---|---|---|---|
| 駆動系 | チェーン伸び・異音 | 低回転トルクで負荷が偏る | 清掃給脂・テンション管理・早期交換 |
| サスペンション | へたり・オイル劣化 | ロング＋積載で進行 | 定期OH・スプリング見直し |
| 電装/接点 | 接触不良・腐食 | 雨天・経年 | 端子防錆/清掃・定期点検 |
| DCT（装着車） | センサー/作動違和感 | 渋滞多用・学習未反映 | 診断/学習リセット・定期メンテ |
大きな持病は少ないモデルですが、注意すべきは以下の点です：DCT仕様ではクラッチユニットやセンサー類のメンテナンス、サスペンションは経年でヘタリが早めに出やすい傾向、電装系は端子の接触不良や錆に注意。駆動系は低回転トルクによりチェーンの負担が大きめなので、定期的な清掃と給脂を怠らないことが重要です。
カスタムパーツの豊富さ
| カテゴリ | 主なパーツ | 充実度 | 効果/ポイント |
|---|---|---|---|
| 防風/快適 | ハイ/ツーリングスクリーン・グリップヒーター | ◎ | 疲労軽減・季節対応力UP |
| 積載/実用 | トップ/サイドケース・インナーバッグ | ◎ | 通勤〜旅の使い勝手が大幅向上 |
| 足回り/制動 | リアショック・高性能パッド・メッシュホース | ○ | 荷物や二人乗り時の安定感UP |
| 外観/ガード | エンジンガード・スクリーン延長・プロテクション | ○ | 転倒/飛び石対策とドレスアップ |
NC750Xはツーリング需要が高いため、パーツ市場も充実しています。スクリーン、トップケース・サイドケース、ETC、グリップヒーター、ローダウンキットなど実用寄りのパーツが豊富です。マフラーやサスなどスポーツ性能を強化するカスタムも可能ですが、性格上は快適性と積載性向上の方向に振る方が相性が良いでしょう。
ライバルバイクとの比較
| 項目 | Honda NC750X | Suzuki V-Strom650 | Kawasaki Versys650 | Yamaha Tracer7 |
|---|---|---|---|---|
| 実用性/積載 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 快適性 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| スポーツ性 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 燃費/維持費 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 初心者への優しさ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
ライバルはスズキ V-Strom650、カワサキ Versys650、ヤマハ Tracer7など。NC750Xは燃費と積載性で優位、V-Strom650はロングツーリングでの安定性が高く、Versys650は軽快感、Tracer7はスポーツ性が強みです。用途によって選び分けると後悔しにくいです。
みんなの口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 燃費が良く航続距離が長い | 高回転での伸びは控えめ |
| 積載と実用性が抜群で毎日使える | 足回りが柔らかく攻めると不満 |
| DCTが渋滞でとても楽 | DCTが好みに合わない人もいる |
良い口コミ：「燃費がリッター30km以上出る」「積載力が抜群」「ポジションが楽で疲れにくい」「DCTが便利」
悪い口コミ：「スポーツ走行だと物足りない」「サスが柔らかすぎる」「DCTが合わないと感じる人もいる」
このバイクの評価（総合）
| 評価項目 | 評価 | 解説 |
|---|---|---|
| 走行性能 | ★★★☆☆ | 実用域で扱いやすいが高回転の伸びは控えめ |
| ハンドリング | ★★★★☆ | 低重心で安定、街中〜ツーリングで安心 |
| 維持性 | ★★★★★ | 燃費良好・消耗コストが現実的 |
| 実用性 | ★★★★★ | ラゲッジ・DCT（装着車）で日常適性が高い |
| 趣味性 | ★★★☆☆ | 刺激より安心・便利さ重視の性格 |
- 走行性能：★★★☆☆
- ハンドリング：★★★★☆
- 維持性：★★★★★
- 実用性：★★★★★
- 趣味性：★★★☆☆
総合的には「快適・実用性特化型」の万能クロスオーバーです。
中古市場の動向
| 状態/年式 | 目安相場 | 特徴 | 狙い目ポイント |
|---|---|---|---|
| 低走行・新しめ | 上位レンジ | 外装美・オプション装着多め | 記録簿・DCT作動/診断履歴・電装状態を確認 |
| 中走行・一般 | 中位レンジ | 通勤＋ツーリング併用 | 消耗更新（タイヤ/ブレーキ/駆動）履歴重視 |
| カスタム多数 | 幅広い | ケース/電装/スクリーン等の実用装備 | 法規適合・純正戻し可否・配線処理の綺麗さ |
中古市場では流通量が多く、価格も安定しています。走行距離よりもDCTの状態や電装・駆動系の整備歴がポイント。純正オプション多数装着車やトップケース付きの個体は人気が高く、早めに売れる傾向にあります。
まとめ（結論と後悔しない選び方）
Honda NC750Xは、実用性と快適性を重視するライダーにとって非常にバランスの良い選択肢です。燃費の良さ、大容量ラゲッジ、アップライトなポジションは長く付き合える魅力となります。一方で「走りの刺激」や「高回転での楽しさ」を強く求める人にとっては、物足りなさや後悔につながる可能性もあります。そのため、購入を検討する際は「通勤や日常使い」「ツーリング快適性」を主目的に据えつつ、必要に応じてサスやスクリーンなどで弱点を補うことがポイントです。自分の用途と期待値を整理して選べば、後悔せず長く満足できるバイクになるでしょう。
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