Yamaha XSR700(エックスエスアール700)は、MT-07由来のCP2 689cc並列ツインエンジンを積みつつ、ネオレトロスタイルを纏った万能タイプのネイキッドです。扱いやすい車重・穏やかな出力特性・洗練された見た目により街乗りでの扱いやすさとツーリングの楽しみを両立できます。ただし、防風性・高速度域での安定性・装備の簡素さにより、用途や期待値がはっきりしていないと「後悔」する場面もあります。用途を見極めた上で、XSR700は後悔の少ない選択肢になり得ます。
【この記事でわかること】
- XSR700 の基本スペックと乗り味(トルク・燃費・重量など)
- どんなライダーにおすすめか/期待できる用途
- 後悔しやすいポイントとその回避策
- 壊れやすさ・消耗品に関する注意点
- カスタムパーツの充実度と選ぶポイント
- ライバルモデルとの比較(Montado Neo Retro系など)
- オーナー口コミから見える実用性と短所
- 総合評価と中古市場での狙い目個体
このバイクがオススメな人
| ターゲット | 利用シーン | 重視ポイント | XSR700が合う理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| ネオレトロ/スタイル重視派 | 街乗り・カフェ巡り | 見た目・所有感 | クラシックなデザインと現代技術の融合 | 装備は必要最小限 |
| 中排気量で楽しく走りたい人 | ワインディング・週末ツーリング | 扱いやすさ・トルク | CP2ツインのトルク特性で中速域から楽しめる | 高速巡航での防風性が弱い |
| 初~中級ライダー | 通勤+趣味用途 | コスパ・信頼性 | 信頼性の高いエンジン・重さも抑えめ | 装備改良が必要なことも |
XSR700 は「レトロな見た目が好き」「街中~ワインディングで気軽に楽しみたい」「重すぎず抑えめのコストで楽しみたい」というライダーに特にオススメです。パワーのピークは約 74 馬力前後で、トルク域が中速〜低速にかけて厚く、発進・巡航とも扱いやすく感じられることが多いです。シート高・車体幅も比較的親しみやすいため、初めてのネイキッド/2台目バイクとしての位置づけにも良い選択肢になります。
このバイクで後悔するポイント
| 後悔ポイント | 現象/理由 | 対策・代替案 |
|---|---|---|
| 防風性の低さ | 高速巡航や風の影響を受けやすいハンドル形状・フェアリングレス | スクリーン追加・風対策装備の導入 |
| 足まわりの物足りなさ | 標準サスペンションがソフト・荒れた路面での追従性不足 | リアショック交換/ハードタイプのサス導入 |
| 装備の簡素さ | 電子制御補助や快適装備が少ない | 必要な装備を後付けで揃える |
XSR700 を選ぶ際の落とし穴としては、防風性の低さが挙げられます。高速巡航では風圧・疲労を感じやすく、長距離ツーリングではスクリーン等の追加が必要なケースが多いです。また、足まわり/サスペンションは峠道や荒れた路面で荷重がかかると動きが追いつかないことがあるため、改良パーツへのアップデートを検討する必要があります。装備は必要最小限なものが標準であり、ライディングモード・電子制御補助などはほぼ無いため、安全性能に妥協があると感じる人もいます。
壊れやすさ
| 部位 | 症状例 | 発生傾向 | 予防・対策 |
|---|---|---|---|
| チェーン/駆動系 | 伸び・摩耗・異音 | 頻繁な発進停止・加減速の多い街乗り | 清掃給脂・テンション管理・早期交換 |
| ブレーキパッド/フルード | フェード・タッチの低下 | 下り・負荷かかるシーン多用 | 高性能パッド・フルードを選ぶ・定期交換 |
| 電装・センサー類 | スイッチ接点の不良・防水性低下 | 雨天・経年・使用頻度高 | 防水対策・定期点検・コネクタ清掃 |
致命的なトラブルは少ないですが、次のような点に注意が必要です:チェーン/スプロケットの摩耗、ブレーキパッド・フルードの劣化、冷却系・電装系の接点劣化など。特に近距離・頻繁な発進停止の街乗りや渋滞使用が多いと、これらの部品は消耗が早めです。メンテナンスを怠らなければ信頼性は高く、コストも抑えられるモデルです。
カスタムパーツの豊富さ
| カテゴリ | 主なパーツ | 充実度 | 効果/ポイント |
|---|---|---|---|
| 外観・スタイル | タンク塗装/カラーリングパーツ・外装アクセント | ◎ | レトロ感を強調、所有満足度向上 |
| マフラー・吸排気 | スリップオン/フルエキタイプ | ○ | 音質とレスポンス改善、見た目向上 |
| 防風・快適性 | ミニスクリーン・グリップヒーター・ゲルシート | ○ | ツーリング時の疲労軽減に効果あり |
| 制動・足回り | ハイスペックパッド・タイヤアップグレード | ○ | コーナリング時の安心感・制動距離短縮 |
XSR700 はスタイル重視/実用重視の双方でカスタムパーツが揃っています。マフラー、ECUチューン、スクリーン、ハンドルバー、シートなどが人気。レトロスタイルを活かすためのライト/外装パーツも多いです。まずは見た目とライディングポジションの改善から手を入れると、乗って楽しく後悔しにくくなります。
ライバルバイクとの比較
| 項目 | Yamaha XSR700 | Ducati Scrambler 800 | Triumph Street Twin | Honda CB650R | Kawasaki Z650 |
|---|---|---|---|---|---|
| 見た目・所有感 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| 扱いやすさ・軽さ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 加速力・トルク感 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 高速巡航快適性 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| 維持費 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
比較対象には、Triumph Street Twin/Royal Enfield Interceptor/Ducati Scrambler/Honda CB650R/Kawasaki Z650 などがあります。これらと比べると、XSR700 は“見た目+適度なパワー”のバランスが良く、ライバルに比べて軽快感・コスパの点で優れることが多いです。ただし高速巡航や高速道路の連続走行での風・振動吸収では Scrambler 系やツアラー寄りの車種に一歩譲る場面があります。
みんなの口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| スタイルとレトロ感が抜群 | 高速での風当たりがきつい |
| 重さがほどほどで街乗りが楽 | 足回りがソフトで荒れた路面で不安 |
| 燃費が良くコスパ高い | 装備が簡素・電子制御が少ない |
良い口コミでは「スタイルが素敵」「扱いやすさが安心」「燃費良好」「重量が重すぎないので街乗りで疲れにくい」が挙げられます。反対に、「防風性に物足りなさ」「長距離で腰・手首に疲れが出る」「足まわりがソフトで荒れた路面で弱い」「装備が簡素で価格に見合った装備充実を望む声」などがあります。
このバイクの評価(総合)
| 状態/年式 | 目安相場 | 特徴 | 狙い目ポイント |
|---|---|---|---|
| 低走行・新しめ | 上位レンジ | 外装美・純正部品多数・整備記録あり | 錆対策・サス/ブレーキ状態をきちんと確認 |
| 中走行・一般 | 中位レンジ | 通勤+趣味の併用が多い使用形態 | 消耗品の更新歴とアフターパーツの有無に注目 |
| 年式古め/カスタム車 | 幅広いレンジ | 外装変更・マフラー変更などあり | 法規適合・純正戻し可能性・メンテ性重視 |
走行性能:★★★★☆/ハンドリング:★★★★☆/維持性:★★★★☆/実用性:★★★☆☆/趣味性:★★★★☆。
公道を主体とした“気軽な速さと見た目重視”で高評価。高速の快適性では割り切りが必要ですが、プレミアム感とスタイルに魅力があるモデルです。
中古市場の動向
| 状態/年式 | 目安相場 | 特徴 | 狙い目ポイント |
|---|---|---|---|
| 低走行・新しめ | 上位レンジ | 外装美・純正部品多数・整備記録あり | 錆対策・サス/ブレーキ状態をきちんと確認 |
| 中走行・一般 | 中位レンジ | 通勤+趣味の併用が多い使用形態 | 消耗品の更新歴とアフターパーツの有無に注目 |
| 年式古め/カスタム車 | 幅広いレンジ | 外装変更・マフラー変更などあり | 法規適合・純正戻し可能性・メンテ性重視 |
中古市場では XSR700 は流通量がそこそこあり、値落ちも緩やかな傾向があります。年式・カスタム歴・整備履歴・錆・足回りの状態が価格の鍵。特に足まわりやブレーキなどをきちんと手入れしてある個体は満足度が高い買い物になることが多いです。
まとめ
Yamaha XSR700(エックスエスアール700)は、MT-07由来のCP2 689cc並列ツインエンジンを積みつつ、ネオレトロスタイルを纏った万能タイプのネイキッドです。扱いやすい車重・穏やかな出力特性・洗練された見た目により街乗りでの扱いやすさとツーリングの楽しみを両立できます。ただし、防風性・高速度域での安定性・装備の簡素さにより、用途や期待値がはっきりしていないと「後悔」する場面もあります。用途を見極めた上で、XSR700は後悔の少ない選択肢になり得ます。





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