250ccクラスのスクーターは、「車検不要で高速道路に乗れる」というバランスの良さから、通勤・通学・ツーリングと幅広いライダーに選ばれています。特に日本市場では、かつてのビッグスクーターブームを経て、現在は160cc前後のコンパクトモデルとフルサイズ250ccモデルに二極化しており、用途に応じた選択肢が揃っています。
しかし「250ccスクーター」と一括りにしても、実測最高速には大きな差があります。150〜160ccの軽量モデルは街乗りには十分なパワーを持ちつつも、実測では110km/h前後で頭打ち。一方、フルサイズ250ccは130km/h近い余裕があり、高速道路での追い越しや長距離移動に安心感があります。
本記事では、国内で新車購入できる現行モデルのみを対象に、実測最高速が遅い順にTOP10を紹介します。各モデルの特徴・走行性能・おすすめの人・燃費改善のポイントを掘り下げて解説していきます。
250ccスクーターのメリット・デメリット
メリット
250ccスクーター最大のメリットは、**「車検が不要で高速道路に乗れる」**という点に尽きます。400ccを超えるクラスでは2年ごとの車検が必要になりますが、250cc以下は軽二輪扱いとなり、ユーザー車検や定期点検の義務がありません。そのため維持費が安く、任意保険も比較的リーズナブルに抑えられます。
さらに、通勤・通学の使いやすさとツーリング性能の両立も魅力。125ccスクーターよりもパワーに余裕があるため、高速道路での巡航が可能になり、週末のロングツーリングにも安心して使えます。それでいて大型バイクほど重くなく、取り回しやすさも十分。都市部の渋滞や狭い駐輪場にも対応できるのは、250ccスクーターならではのバランスの良さです。
デメリット
一方で、**最高速や加速力はあくまで「中途半端」**という評価もあります。高速道路の追い越しでは、リッターバイクや400ccクラスと比べて余裕が少なく、2人乗りや上り坂では物足りなさを感じることがあります。
また、250ccスクーターは車体が比較的大きく、125ccと比べると重量・価格・燃費の面でやや不利になります。市街地の短距離移動をメインに考えるなら、オーバースペックに感じる人もいるかもしれません。
つまり、250ccスクーターは「万能型」ではあるものの、軽さやコストを優先するなら125cc、パワーや余裕を求めるなら400cc以上という住み分けが存在するのです。
最高速が遅いスクーターを選ぶメリット
ランキングでは「最高速が遅い=性能が劣る」という印象を持ちがちですが、実際には最高速が控えめなモデルだからこそ得られるメリットも存在します。
まず一つ目は、燃費性能の高さです。最高速が遅いモデルはエンジンがコンパクトで高回転を多用しない設計のため、街乗りでは燃費が伸びやすい傾向にあります。特に110km/h前後で頭打ちになる150〜160ccクラスは、リッター40km以上を実現するモデルも多く、ガソリン代の節約に直結します。
二つ目は、取り回しやすさと扱いやすさ。小型で軽量な車体は狭い駐輪場や混雑した市街地でもストレスなく使え、初心者や女性ライダーにも向いています。最高速が控えめでも、0〜60km/hまでの加速力は十分にあり、日常の走行において不足を感じる場面は多くありません。
さらに、エンジンや駆動系への負担が少ないため、メンテナンスコストも安く済む傾向があります。耐久性が高まり、長期的に見ればランニングコストを抑えられるのも魅力です。
つまり「最高速が遅いスクーター」は、燃費・維持費・街乗り性能に優れた実用性特化のモデルとも言えるのです。
国内新車で買える250ccスクーター一覧
| 順位 | モデル名 | メーカー | 排気量 | エンジン形式 | 実測最高速 | 変速機 | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | プリマベーラ150 | Vespa | 155cc | 空冷・4スト単気筒 | 100〜105km/h | CVT | クラシカルデザイン・街乗り向き | 国内正規・新車可 |
| 2位 | TRICITY 155 | ヤマハ | 155cc | 水冷・4スト単気筒 | 約110km/h | CVT | 前二輪LMWで抜群の安定性 | 国内正規・新車可 |
| 3位 | X FORCE | ヤマハ | 155cc | 水冷・4スト単気筒 | 約110km/h | CVT | 軽量・俊敏、スポーティ設計 | 国内正規・新車可 |
| 4位 | PCX160 | ホンダ | 156cc | 水冷・4スト単気筒 | 110〜115km/h | CVT | 万能型、通勤〜ツーリング対応 | 国内正規・新車可 |
| 5位 | SR GT 200 | Aprilia | 174cc | 水冷・4スト単気筒 | 110〜115km/h | CVT | アーバンADV、悪路にも強い | 国内正規・新車可 |
| 6位 | ADV160 | ホンダ | 156cc | 水冷・4スト単気筒 | 約115km/h | CVT | アウトドア志向、段差や悪路対応 | 国内正規・新車可 |
| 7位 | NMAX155 | ヤマハ | 155cc | 水冷・4スト単気筒 | 約115km/h | CVT | スポーティ、電子制御CVT搭載 | 国内正規・新車可 |
| 8位 | X-TOWN CT 250 | KYMCO | 249cc | 水冷・4スト単気筒 | 120〜123km/h | CVT | 大柄・積載性重視、巡航快適 | 国内正規・新車可 |
| 9位 | FORZA 250 | ホンダ | 249cc | 水冷・4スト単気筒 | 125〜130km/h | CVT | 豪華装備・長距離向け | 国内正規・新車可 |
| 10位 | XMAX 250 | ヤマハ | 249cc | 水冷・4スト単気筒 | 約130km/h | CVT | 高速余裕大、スポーティ志向 | 国内正規・新車可 |
第1位|Vespa プリマベーラ150(Piaggio)

| モデル名 | プリマベーラ150 |
|---|---|
| メーカー | Vespa(Piaggio) |
| 排気量 | 約155cc |
| エンジン形式 | 空冷・4スト・単気筒 |
| 変速機 | 無段変速(CVT) |
| 実測最高速(目安) | 約100〜105km/h |
| 用途イメージ | 街乗り主体、デザイン重視、下道ツーリング |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約100〜105km/h
イタリアを代表するブランド「ベスパ」の中でも、プリマベーラ150はクラシカルで優美なデザインが特徴。スチールモノコックボディは芸術品のような存在感があり、街乗りで映えるおしゃれなスクーターです。エンジンは空冷155cc単気筒で約13PSを発生。取り回しが軽く、重量も130kg前後とコンパクトで、都市部での使い勝手は抜群です。
高速走行性能に関しては、実測で100km/h強程度。高速道路を走れる最低限の力はありますが、追い越しや登坂では余裕不足を感じます。小径12インチタイヤのため安定感はフルサイズモデルに劣りますが、剛性の高い車体のおかげで直進性は意外に良好。あくまで「高速も走れる」程度で、街乗り主体で考えるのが現実的です。
おすすめの人:デザインやブランド性を重視し、街乗り中心で時々高速を利用する人。おしゃれに乗りたい方や、カフェ巡り・市街地移動を楽しむ大人のライダー。
燃費改善方法:急加速を避け、アイドリング時間を減らすこと。空気圧管理と定期的なメンテで燃費を安定させやすい。
第2位|ヤマハ TRICITY 155

| モデル名 | TRICITY 155 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 排気量 | 約155cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒(Blue Core) |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約110km/h |
| 特徴 | LMW(前二輪)で直進・荒天安定性に強み |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約110km/h
LMW(リーニング・マルチ・ホイール)機構を採用した三輪スクーター。前二輪ならではの抜群の安定感と独自の存在感が魅力です。155cc水冷単気筒ブルーコアエンジンは約15PSを発揮し、街乗りでの発進加速や安定したコーナリング性能に優れています。
高速道路走行では、前二輪が路面をしっかり捉えるため直進安定性は高いものの、重量増の影響で加速が鈍くなり、実測最高速は110km/h前後。平地巡航は100km/h程度が現実的で、追い越しには余裕がありません。ただし三輪特有の安定感で、心理的安心感は抜群です。
おすすめの人:初心者やリターンライダー、雨の日でも安心して通勤通学したい人。タンデム走行を安定して楽しみたい人にも好適。
燃費改善方法:三輪ゆえタイヤが3本あり空気圧低下が燃費に直結するため、定期チェックが必須。加速時にアクセルをじんわり開けることも有効。
第3位|ヤマハ X FORCE(155)

| モデル名 | X FORCE |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 排気量 | 約155cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒(Blue Core / VVA) |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約110km/h |
| 特徴 | 軽量・俊敏、シティ志向のスポーティ設計 |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約110km/h
2022年登場の新型スポーティスクーター。軽量フレームと155ccブルーコアエンジン(約15PS)を組み合わせ、俊敏な走りを実現。フラットなフロアボードやスマホ連携メーターなど、利便性とデジタル感を両立しています。
実測最高速は約110km/hで、排気量相応。加速フィールは鋭いですが、高速域では頭打ち感があり、巡航性能は100km/h程度が快適上限です。小柄で軽量なため街乗りでは圧倒的に扱いやすい一方、風防が小さいため高速走行では風の影響を受けやすく、長距離は疲れやすい傾向があります。
おすすめの人:市街地を軽快に走りたい人、通勤快速やスポーティな走行を重視する人。
燃費改善方法:CVT特性を活かし、一定速度での巡航を意識する。信号待ちでは早めにスロットルを戻し、惰性走行を取り入れると効果的。
第4位|ホンダ PCX160

| モデル名 | PCX160 |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 排気量 | 約156cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒(eSP+ / 4バルブ) |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約110〜115km/h |
| 特徴 | 万能型、100km/h巡航の安定感に定評 |
| 備考 | アイドリングストップ搭載/国内正規・現行 |
実測最高速:約110〜115km/h
国内スクーター市場で圧倒的な人気を誇る王道モデル。156ccの水冷4バルブ単気筒「eSP+」エンジンは約16PSを発揮し、街乗り・燃費・収納力のバランスが取れています。シート下は約30Lの大容量収納を確保し、通勤通学や買い物にも万能。
実測最高速は110〜115km/hで、高速道路も走行可能。ただし追い越しには力不足を感じることも。しかし車体剛性とサス性能が優れているため、100km/h巡航は快適で、振動も少なく安定感は高いです。
おすすめの人:スクーター選びで失敗したくない人、通勤からツーリングまで幅広く使いたい人。
燃費改善方法:ホンダ独自のアイドリングストップ機能を有効活用。加えて早めの惰性走行と空気圧管理で燃費をさらに伸ばせます。
第5位|Aprilia SR GT 200

| モデル名 | SR GT 200 |
|---|---|
| メーカー | Aprilia |
| 排気量 | 約174cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒 |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約110〜115km/h |
| 特徴 | アーバンADV、長めストロークで荒れ路にも強い |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約110〜115km/h
イタリアンブランドのアーバンADVスクーター。長めのサスペンションやブロック調タイヤを採用し、市街地から未舗装路まで対応可能。174cc単気筒エンジンは17.4PSを発揮し、加速は良好ですが最高速は控えめ。
高速道路では110km/h前後で頭打ちとなり、150ccクラスと大差ない印象。ただし車体剛性が高いため、100km/h巡航は安定してこなせます。独特のデザインと走破性は国産にはない魅力です。
おすすめの人:街乗り+郊外の冒険、アウトドア志向のライダー。
燃費改善方法:駆動系(ベルトやウェイトローラー)の摩耗チェックを怠らず、回しすぎない運転を心掛ける。
第6位|ホンダ ADV160

| モデル名 | ADV160 |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 排気量 | 約156cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒(eSP+) |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約115km/h |
| 特徴 | アドベンチャー志向、段差や未舗装に強い設計 |
| 備考 | アイドリングストップ搭載/国内正規・現行 |
実測最高速:約115km/h
PCX160の兄弟車として登場したSUVテイストのスクーター。高めの最低地上高やロングストロークサスペンションを備え、未舗装路も走れるタフな設計が特徴です。水冷156cc eSP+エンジン(約16PS)を搭載。
実測最高速は115km/h程度でPCX160と同等。ただしアップライトなポジションとブロック調デザインタイヤにより、風の影響を受けやすく、巡航性能はやや不利です。
おすすめの人:アウトドア・キャンプライダー、段差や悪路に強いスクーターを求める人。
燃費改善方法:IS機能の活用、タイヤ空気圧を正しく維持して抵抗を減らす。
第7位|ヤマハ NMAX155

| モデル名 | NMAX155 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 排気量 | 約155cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒(Blue Core / VVA) |
| 変速機 | CVT(※現行は電子制御CVT採用グレードあり) |
| 実測最高速(目安) | 約115km/h(メーター120弱) |
| 特徴 | スポーティな走り、電子デバイスが充実 |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約115km/h(メーター読み120弱)
ヤマハの都会派プレミアムスクーター。最新モデルは電子制御CVT「YECVT」を搭載し、モード切替やシフトダウンが可能に。ブルーコア155ccエンジンは約15PSで高回転の伸びも良い。
実測最高速は115km/h前後。メーター読みでは120km/h近く出るが、GPS計測ではもう少し控えめ。高速域ではエンジン回転が上がりきり頭打ち感はあるが、車体剛性が高く安心感は十分。
おすすめの人:スポーティな走りと通勤実用性を両立させたい人。
燃費改善方法:Tモード(燃費重視)を活用し、低回転域での走行を心掛ける。
第8位|KYMCO X-TOWN CT 250

| モデル名 | X-TOWN CT 250 |
|---|---|
| メーカー | KYMCO(キムコ) |
| 排気量 | 約249cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒 |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約120〜123km/h |
| 特徴 | 快適性・積載性重視、巡航100〜110km/hが得意域 |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約120〜123km/h
台湾メーカーKYMCOの250ccスクーター。大柄な車体と45L収納、快適なシートでツーリング向き。
実測最高速は120km/h前後で、クラス最速ではないが高速巡航は余裕を持ってこなせます。
おすすめの人:価格と装備のバランスを求める人。
燃費改善方法:駆動系の摩耗管理、定期点検で燃費低下を防ぐ。
第9位|ホンダ FORZA 250

| モデル名 | FORZA(フォルツァ) |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 排気量 | 約249cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒 |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約125〜130km/h |
| 特徴 | 電動スクリーン・大容量収納・快適装備が充実 |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約125〜130km/h
国内250スクーターの定番。電動スクリーン、広い収納、トラクションコントロールなど豪華装備が満載。重量感があり、直進安定性は抜群。
実測最高速は125〜130km/h程度で、XMAXに比べ伸びは控えめだが、快適装備のおかげで長距離巡航では疲労が少ない。
おすすめの人:長距離・タンデムを重視するライダー。
燃費改善方法:一定速度の維持と、急加速を控えること。
第10位|ヤマハ XMAX 250

| モデル名 | XMAX 250 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 排気量 | 約249cc |
| エンジン形式 | 水冷・4スト・単気筒(Blue Core) |
| 変速機 | CVT |
| 実測最高速(目安) | 約130km/h(GPSで約125km/h前後) |
| 特徴 | 高速巡航の余裕が大きくスポーティ、装備も充実 |
| 備考 | 国内正規・現行新車購入可 |
実測最高速:約130km/h
国内250スクーター最速クラス。最新モデルはTFTメーターや電動スクリーンを搭載。走りの余裕とスポーティさを兼ね備える。
実測最高速は130km/h近くに達し、高速道路での追い越しも安心。直進安定性も優れており、ツーリング志向のライダーから高い評価を得ています。
おすすめの人:高速道路の利用が多い人、スポーティさも求める人。
燃費改善方法:定速巡航と空気圧チェックで効率を高める。
まとめ
- 150〜160ccモデル → 実測最高速は110km/h前後。街乗り主体+高速は最低限。
- 200ccモデル → 110〜120km/hで頭打ち。通勤+郊外ツーリングに十分。
- 250ccフルサイズモデル → 125〜130km/hで、高速巡航に余裕。
つまり、街乗り中心なら小排気量系、ツーリングや高速利用が多いならフルサイズ250がおすすめ。最高速は目安であり、快適性・燃費・装備とのバランスを見極めることが、満足度の高いスクーター選びに直結します。













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