125ccスクーターは、維持費の安さと気軽さから通勤通学や街乗りで大人気のカテゴリーです。高速道路には乗れませんが、日常的には「法定60km/hまで快適に走れるかどうか」が重要であり、最高速が極端に速い必要はありません。むしろ多くの現行モデルは燃費や使い勝手を優先して設計されており、最高速は意図的に抑えられています。
今回は、国内で現行販売中の125ccスクーター（中古車含む）を対象に、並行輸入モデルも含めた「実測最高速が遅いスクーターTOP10」を紹介します。数値はノーマル状態・平地での一般的な実測値をもとにしています。
最高速が遅い125ccスクーター一覧
| 順位 | モデル名 | メーカー | 実測最高速 | カタログ最高速 | 車両重量 | エンジン形式 | 最高出力 | タンク容量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | グランドアクシス100 | ヤマハ | 約85km/h | 非公表 | 95kg | 空冷 2スト単気筒 | 10PS / 7000rpm | 6.5L |
| 2位 | BW’S125 | ヤマハ | 約85〜90km/h | 非公表 | 119kg | 空冷 4スト単気筒 SOHC4バルブ | 9.8PS / 7500rpm | 6.5L |
| 3位 | GP125i | KYMCO | 約90km/h | 非公表 | 110kg | 空冷 4スト単気筒 SOHC2バルブ | 9.0PS / 7500rpm | 5.0L |
| 4位 | ジョグ125 | ヤマハ | 約90km/h | 非公表 | 95kg | 空冷 4スト単気筒 SOHC2バルブ | 8.3PS / 7000rpm | 4.0L |
| 5位 | アクシスZ | ヤマハ | 約90km/h | 非公表 | 100kg | 空冷 4スト単気筒 SOHC2バルブ | 8.3PS / 7000rpm | 5.5L |
| 6位 | Dio110 | ホンダ | 約90km/h | 非公表 | 96kg | 空冷 4スト単気筒 OHC2バルブ | 8.7PS / 7500rpm | 4.9L |
| 7位 | アドレス110 | スズキ | 約92〜95km/h | 非公表 | 99kg | 空冷 4スト単気筒 OHC2バルブ | 9.1PS / 8000rpm | 5.2L |
| 8位 | バーグマンストリート125EX | スズキ | 約90km/h台前半 | 非公表 | 112kg | 空冷 4スト単気筒 OHC2バルブ | 8.3PS / 6500rpm | 5.5L |
| 9位 | アヴェニス125 | スズキ | 約95〜100km/h | 非公表 | 107kg | 空冷 4スト単気筒 OHC2バルブ | 11.8PS / 8750rpm | 5.2L |
| 10位 | プリマベーラ125 | ベスパ | 約90km/h | 非公表 | 130kg | 空冷 4スト単気筒 | 約10PS | 8.0L |
第1位：ヤマハ グランドアクシス100
| モデル名 | グランドアクシス100 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 実測最高速 | 約85km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 95kg |
| エンジン形式 | 空冷 2スト 単気筒 |
| 最高出力 | 10PS / 7000rpm |
| タンク容量 | 6.5L |
2ストロークエンジンを搭載するヤマハ・グランドアクシス100が、実測最高速の遅いモデル第1位です。発売当時は「通勤快速」として人気を博しましたが、最高速は意外にも伸びず、ノーマル状態では実測で85km/h前後が限界でした。加速力は鋭く信号ダッシュでは他の125ccに引けを取りませんが、高速寄りの性能は苦手です。軽量な車体とパワフルな2スト特有のトルク感で街乗りでは十分な実力を発揮しますが、長距離移動や高速巡航には不向きな一台です。
第2位：ヤマハ BW’S125
| モデル名 | BW’S125 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 実測最高速 | 約85〜90km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 119kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 SOHC4バルブ |
| 最高出力 | 9.8PS / 7500rpm |
| タンク容量 | 6.5L |
オフロードテイストの外観で人気のヤマハBW’S125は、ブロックタイヤとアップフェンダーを備えた個性的なモデルです。実測最高速は85〜90km/h程度に留まり、登坂や強風下ではさらに速度が落ち込むケースもあります。その分、中低速域ではトルクフルで力強い走りを見せ、街乗りや悪路での使い勝手は抜群です。見た目のインパクトや安定感は大きな魅力ですが、スピードを求める人には物足りないでしょう。
第3位：キムコ GP125i
| モデル名 | GP125i |
|---|---|
| メーカー | KYMCO |
| 実測最高速 | 約90km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 110kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 SOHC2バルブ |
| 最高出力 | 9.0PS / 7500rpm |
| タンク容量 | 5.0L |
台湾メーカーKYMCOのGP125iは、コストパフォーマンスに優れた並行輸入モデルです。価格が手頃で燃費性能も高く、街乗りには最適ですが、高速性能は控えめです。実測では90km/h付近で頭打ちになり、100km/hには届きません。加速重視のセッティングでスタートダッシュは軽快ですが、余裕を持った長距離巡航には向いていません。街中専用と割り切れば扱いやすく経済的な一台です。
第4位：ヤマハ ジョグ125
| モデル名 | ジョグ125 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 実測最高速 | 約90km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 95kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 SOHC2バルブ |
| 最高出力 | 8.3PS / 7000rpm |
| タンク容量 | 4.0L |
50ccの名車「ジョグ」の名を受け継ぐエントリーモデル。軽量で取り回しが良く、街中での加速は軽快です。しかし実測最高速は90km/h前後にとどまり、場合によっては85km/h程度で頭打ちになります。燃費性能に優れたシティコミューターですが、高速域での余裕は少なく、郊外や流れの速い道路ではパワー不足を感じやすいでしょう。
第5位：ヤマハ アクシスZ
| モデル名 | アクシスZ |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 実測最高速 | 約90km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 100kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 SOHC2バルブ |
| 最高出力 | 8.3PS / 7000rpm |
| タンク容量 | 5.5L |
経済性と実用性に重点を置いたヤマハ アクシスZも、最高速は控えめです。燃費や収納力が魅力の一方で、最高速は90km/h前後とされ、100km/hには届きません。CVTセッティングが低中速域に特化しているため、街中の走行には十分ですが、スピードを必要とする場面では伸び悩む傾向があります。
第6位：ホンダ ディオ110
| モデル名 | Dio110 |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 実測最高速 | 約90km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 96kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 OHC2バルブ |
| 最高出力 | 8.7PS / 7500rpm |
| タンク容量 | 4.9L |
通勤・通学で人気のホンダDio110は、燃費性能や扱いやすさで高い評価を受けています。しかし、最高速は実測で90km/h前後に留まり、同クラスの他車よりもやや控えめ。日常利用では全く問題ありませんが、郊外走行で流れが速い場面では余裕不足を感じることがあります。
第7位：スズキ アドレス110
| モデル名 | アドレス110 |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 実測最高速 | 約92〜95km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 99kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 OHC2バルブ |
| 最高出力 | 9.1PS / 8000rpm |
| タンク容量 | 5.2L |
軽量でキビキビとした走りが魅力のアドレス110も、最高速は伸び悩みます。実測で92〜95km/h程度が限界で、100km/hに届かないケースがほとんどです。街中での加速性能は十分で燃費も良好ですが、巡航速度に余裕を求めるライダーには物足りなさを感じるでしょう。
第8位：スズキ バーグマンストリート125EX
| モデル名 | バーグマンストリート125EX |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 実測最高速 | 約90km/h台前半 |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 112kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 OHC2バルブ |
| 最高出力 | 8.3PS / 6500rpm |
| タンク容量 | 5.5L |
快適性を重視したスクーターで、落ち着いた乗り味が特徴です。しかしエンジン特性が低回転寄りなこともあり、実測最高速は90km/h台前半。重量も重めで、高速域での伸びは期待できません。街乗り中心なら快適ですが、速度面では控えめな仕上がりです。
第9位：スズキ アヴェニス125
| モデル名 | アヴェニス125 |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 実測最高速 | 約95〜100km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 107kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 OHC2バルブ |
| 最高出力 | 11.8PS / 8750rpm |
| タンク容量 | 5.2L |
スポーティな見た目を持つアヴェニス125ですが、最高速は95〜100km/h程度と控えめ。加速は軽快ですが、伸びは期待できません。燃費と扱いやすさは優秀で、街中ユースに割り切ればコストパフォーマンスの高いモデルです。
第10位：ベスパ プリマベーラ125
| モデル名 | プリマベーラ125 |
|---|---|
| メーカー | ベスパ（ピアジオ） |
| 実測最高速 | 約90km/h |
| カタログ最高速 | 非公表 |
| 車両重量 | 130kg |
| エンジン形式 | 空冷 4スト 単気筒 |
| 最高出力 | 約10PS |
| タンク容量 | 8.0L |
イタリアンデザインが光るベスパ・プリマベーラ125は、おしゃれさと雰囲気で選ばれるモデルです。オール金属ボディによる重厚感はあるものの、そのぶん実測最高速は90km/h前後と控えめ。0→100km/h加速も非常に遅く、長い直線でなければ三桁到達は困難です。街中を優雅に走るにはぴったりですが、スピードを求める人には不向きです。
まとめ
今回紹介したスクーターは、いずれも実測最高速が90〜100km/h程度に収まっており、125ccの中では「遅い部類」に入ります。とはいえ、原付二種の用途は主に市街地や郊外の一般道であり、法定速度を守って走る分には十分な性能です。むしろ燃費や積載性、取り回しのしやすさといった点で大きなメリットがあり、最高速を犠牲にした分だけ「日常の使いやすさ」を得ているモデルが多いといえます。
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