SIGMA fpは、初めて手に取った瞬間から「これは普通のカメラじゃない」と感じさせる、独特の存在感を持つモデルです。私はこれまでフルサイズ機やAPS-C機を含め、数多くのカメラを使ってきましたが、このfpは一言でいうと“自由度の塊”。驚くほど小さく、軽く、それでいてフルサイズセンサーを搭載しているというギャップが、カメラ好きの心をくすぐります。動画撮影でも写真撮影でも、どこか実験的なワクワク感があり、持ち出すたびに新しい発見があります。
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このカメラの特徴と第一印象
SIGMA fpは、世界最小・最軽量のフルサイズミラーレスとして登場しました。その外観は非常にシンプルで、まるで小型のシネマカメラのような直方体デザイン。初期設定時もメニュー構成が簡潔で、撮影モードの切り替えもスムーズ。第一印象としては「必要最低限まで削ぎ落とした機能美」が際立ちます。また、動画モードに切り替えるとインターフェースが一変し、まさに映画撮影用の機材を扱っているような感覚になります。
実際に使って良かった点(強み)
コンパクト&軽量
フルサイズセンサー搭載機としては驚異的な約422gの軽さ。ポケットや小さなバッグにも入れられるため、日常のスナップから旅先まで常に携帯できます。長時間の撮影でも肩や腕の負担が少なく、気軽に持ち出せる点は他のフルサイズ機にはない魅力です。
シネマカメラ級の動画性能
CinemaDNG RAW外部収録に対応し、映像の階調や色再現が非常に豊か。ポストプロダクションでの色編集の自由度が高く、映画やMVなど本格的な映像制作にも十分対応できます。
シンプルで直感的なUI
複雑な階層構造を持つカメラが多い中、fpは必要な設定にすぐアクセスできるミニマル設計。初めて触った時から迷わず操作でき、撮影に集中できます。
熱対策の優秀さ
コンパクトなボディにもかかわらず、長時間の4K撮影でも熱停止しづらい設計。夏場の屋外や室内連続撮影でも安心して使えます。
モジュール式デザインの自由度
グリップや外付けEVF、ケージなどを自由に組み合わせられ、用途や好みに応じたカスタマイズが可能。映像用の大型リグから、日常スナップ用のミニマルセットまで幅広く対応できます。
実際に使って気になった点(弱み)
手ブレ補正非搭載
ボディ内手ブレ補正がなく、静止画ではシャッタースピードを意識する必要があり、動画撮影ではジンバルや三脚が必須になる場面が多いです。
内蔵EVFなし
背面モニターのみの構成で、強い日差しの屋外では画面が見づらくなることがあります。外付けEVFを追加購入する必要があるため、コストと携行性に影響します。
AF性能が静止画向き
コントラストAF方式のため、動体追従は苦手。動きの速い被写体やスポーツ撮影ではピントの歩留まりが下がる傾向があります。
バッテリー持ちが短い
約280枚の静止画撮影または短時間動画で消費してしまい、長時間撮影では予備バッテリーの複数持ちが必須。USB給電を併用しても安心感は薄いです。
防塵防滴性能が控えめ
過酷な環境や雨天での撮影には不向きで、レンズやアクセサリーも含めた防水対策が必要。屋外の長時間撮影では使用環境を選びます。
SIGMA fpのスペック表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| センサー | フルサイズ(約2,460万画素)CMOS |
| 動画性能 | 4K30p / CinemaDNG RAW外部収録可 |
| 手ブレ補正 | なし(レンズ依存) |
| 重さ | 約422g(バッテリー込) |
| バッテリー | BP-51、約280枚撮影 |
| 平均価格 | 約17.3〜17.9万円(新品) |
旧モデルとの進化点
SIGMA fpはシリーズの初代モデルのため、旧モデル比較は存在しませんが、後継機fp Lでは画素数が約6,100万に大幅アップし、クロップ撮影の自由度が増しました。fpはその分、データ容量が軽く、暗所耐性や連写性能のバランスに優れています。
他機種との比較(fp L・α7C II・LUMIX S5II)
| モデル | 画素数 | 手ブレ補正 | ファインダー | 動画性能 | 重さ | 平均価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SIGMA fp | 約2,460万 | なし(レンズ依存) | 外付けEVF方式 | 4K30p / RAW外部収録 | 約422g | 約17.3〜17.9万円 |
| SIGMA fp L | 約6,100万 | なし(レンズ依存) | 外付けEVF方式 | 4K30p / RAW外部収録 | 約427g | 約26.5〜28.0万円 |
| SONY α7C II | 約3,300万 | 5軸IBIS | 内蔵EVF | 4K60p 10bit | 約514g | 約27.5〜28.5万円 |
| LUMIX S5II | 約2,420万 | 5軸IBIS | 内蔵EVF | 6K30p / 4K60p | 約740g | 約24.8万円 |
購入者の口コミまとめ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| コンパクトで持ち運びやすい | 手ブレ補正がない |
| 動画画質がシネマクオリティ | バッテリー持ちが短い |
| UIがシンプルで直感的 | EVFがなく屋外で見づらい |
総評|このカメラはこんな人におすすめ!
- コンパクトなフルサイズ機を探している人
- 映画制作や映像表現に挑戦したいクリエイター
- モジュール式で自分好みにカスタムしたい人
- シンプル操作を好む写真愛好家
- 旅行や街撮りで軽快に撮影したい人
まとめ
SIGMA fpは、一般的な「全部入りカメラ」とは異なり、必要な機能を自分で選び取って使いこなす楽しみがあります。特に動画制作や独自の表現を追求するクリエイターには大きな武器になるでしょう。一方で手ブレ補正やEVF非搭載など、人によっては不便に感じる点もあります。そのため、購入前には自分の撮影スタイルを明確にしておくことが重要です。
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