「動画メインで妥協したくない」と思ったときに選んだGH6
カメラ遍歴としては、APS-C機からスタートして、動画撮影の機会が増えるたびに「もっと高性能な動画機が欲しい」と感じるようになりました。フルサイズに行くか、コンパクト性を取るか――そんな悩みの末に選んだのが、この LUMIX GH6。
「動画ならGHシリーズ」と言われるほど動画機としての実績がある中で、最新世代のGH6はどこまで進化したのか。撮影機材としてだけでなく、仕事道具として使えるのかどうかを判断するために、実際に数ヶ月使い込んでみました。
結果としては、「良い意味で尖ったカメラ」だと感じています。
ただし、決して万人向けではない。 使う人と用途を選ぶ機種であることもハッキリしました。
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GH6の特徴と第一印象
最初に手にしたときに驚いたのが、GHシリーズとは思えない重厚感。
マイクロフォーサーズとは思えない存在感のあるボディで、手にしっかりと馴染む一方で、軽快さを期待していた身にはややズッシリ。
ただ、使い始めてすぐに気づいたのが、「撮影に集中させてくれる道具」としての完成度の高さ。
• ボタン配置が絶妙で、動画・写真どちらも快適に操作可能
• 冷却ファン搭載による長時間動画撮影の安定性
• ダイナミックレンジブーストやProRes内部記録など、プロ向け仕様の充実
これらが最初から違いを感じさせてくれます。
カメラに「妥協したくない」と思っている人にとって、第一印象はかなり強く残ると思います。
実際に使って良かった点(強み)

• ProRes 422 HQの内部記録ができる唯一のミラーレス(2025年時点)
外部レコーダー不要で高品質動画が撮れるのは驚き。編集耐性が高く、仕事で映像を納品する立場として非常に助かります。
• ファン内蔵による長時間録画の安定性
夏場の屋外、4K60pで30分以上の連続収録でも熱暴走なし。イベントやライブ撮影において大きな安心感があります。
• 手ブレ補正が驚異的(最大7.5段)
ボディ内+レンズ内のDual I.S.2が非常に強力で、歩き撮りVlogでもジンバルいらずなシーンが増えました。
• 音声機能がプロ仕様(XLR対応・24bitリニアPCM)
専用アダプター経由でXLRマイクを扱え、音声収録も妥協なし。映像制作において「音も撮れる」強みは大きいです。
• 静止画も高画素・高精細(2,500万画素)
マイクロフォーサーズながらディテールも美しく、解像力は十分。静止画撮影も想像以上に満足できました。
使って気になった点(弱み)

• 価格と本体サイズが“マイクロフォーサーズらしくない”
約20万円超という価格はフルサイズ勢と真っ向から競合。ボディも大きく、軽快な運用を求める人には向きません。
• AFが動画ではやや頼りない
静止画のAFは良好でも、動画中に被写体が動くとフォーカスが迷うことがありました。SONYのような精度は望めません。
• バッテリー持ちが悪い
冷却ファン搭載や4K高画質収録の影響もあり、バッテリー1本での持ちは実感として1時間ちょっと。複数本必須です。
• センサーサイズの限界(ボケ・高感度耐性)
マイクロフォーサーズという性質上、暗所や背景ボケの点でフルサイズには敵わず、ここは割り切りが必要です。
• メニューが複雑で慣れが必要
高機能すぎるがゆえに、慣れていない人にはとっつきづらい印象。動画初心者にはややハードルが高いと感じます。
スペック表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| センサー | マイクロフォーサーズ Live MOS(約2521万画素) |
| 画像処理エンジン | 新開発 Venus Engine |
| 動画性能 | 5.7K60p / 4K120p / FHD240p(ProRes・ALL-Intra対応) |
| 手ブレ補正 | ボディ内5軸(最大7.5段)+Dual I.S.2 |
| AF方式 | コントラストAF(DFD技術) |
| ファインダー | 約368万ドット 有機ELファインダー |
| モニター | 3.0型 184万ドット バリアングル液晶 |
| 記録メディア | CFexpress Type B + SD UHS-II |
| バッテリー | DMW-BLK22(約330枚) |
| 重量 | 約823g(バッテリー・メモリー含む) |
| 発売日 | 2022年3月 |
| 平均価格 | 約22〜25万円(2025年8月時点) |
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他機種との比較|GH5 II・FX30・Z9とどう違う?
| 機種名 | センサー | 動画性能 | 手ブレ補正 | AF性能 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| LUMIX GH6 | MFT 2521万画素 | 5.7K60p / 4K120p / ProRes | 5軸・7.5段 Dual I.S.2 | DFD(動画ではやや不安) | 約22〜25万円 |
| LUMIX GH5 II | MFT 2033万画素 | 4K60p(10bit) | 5軸・6.5段 | DFD | 約13〜14万円 |
| Sony FX30 | APS-C(Exmor R) | 4K120p(10bit 4:2:2) | アクティブ手ブレ補正 | リアルタイムAF | 約26〜28万円 |
| Nikon Z9 | フルサイズ 4571万画素 | 8K60p / 4K120p | 5軸IBIS | ハイブリッドAF(最上級) | 約60万円〜 |
購入者の口コミまとめ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| ProResや5.7K動画が撮れる唯一のミラーレス | AFが動画中に不安定でピントが迷う |
| ファン内蔵で熱停止しない安心感がある | サイズと重量が“マイクロフォーサーズ”の範疇を超えている |
| 操作性が直感的でカスタムも自由自在 | バッテリー消費が激しく、1本では不安 |
総評|このカメラはこんな人におすすめ!
映像制作の仕事で高品質な記録形式(ProResなど)を使いたい人 長時間の4K撮影に対応する動画特化機を探している人 写真よりも「動画が主戦場」のYouTuberやVlogger 手ブレ補正重視でジンバルを使いたくない派の人 カメラに慣れていて、機能を使いこなしたい中〜上級者
まとめ|GH6は「動画最強マイクロフォーサーズ」だが人を選ぶ
LUMIX GH6は、動画撮影に特化した機能がこれでもかというほど詰め込まれた「動画機の頂点を狙ったミラーレス」です。
ProRes記録、冷却ファン、7.5段手ブレ補正、XLR対応など、普通のミラーレスでは実現できない世界がここにあります。
ただし、AFの信頼性やサイズ感、価格などを考慮すると、「すべての人にオススメ」とは言えません。
GH5シリーズを使っていた方がステップアップするには理想的ですが、初めてのミラーレスとして選ぶには少しハードルが高いかもしれません。
動画で食べていく覚悟がある人向けの、プロフェッショナルな道具。
それがGH6の正体です。
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