実は知らないことだらけ?アラブ首長国連邦の雑学15選

国紹介

結論:アラブ首長国連邦は、砂漠の国から“未来都市”へと進化を遂げた中東のモデル国家

アラブ首長国連邦(UAE)は、ただの裕福な湾岸国ではありません。超高層ビル群、世界一の空港、女性の社会進出、税制の柔軟性、さらに火星探査にまで乗り出す“未来志向国家”。この記事では、そんなUAEの実態を深く知るために、15のテーマに分けて雑学スタイルで詳しくご紹介します。

この記事でわかること
UAEがなぜ7つの国の集合体なのか
ドバイとアブダビの役割の違い
石油前と石油後での国家の変貌
社会制度・文化・宗教・女性の立場
世界一の建築・交通・宇宙開発の背景
観光や生活の現地ルールや習慣

1. UAEはドバイじゃない。首都は“アブダビ”

多くの人が「ドバイ=UAEの首都」と思いがちですが、実はUAEの首都は「アブダビ」です。ドバイがビジネスや観光の中心地である一方、アブダビは国の政治・行政の中心であり、大統領府や連邦政府機関が集まっています。また、UAE全体の予算の多くはアブダビの石油収入によって支えられており、国家としての経済的な柱となっているのです。

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アブダビには世界的美術館「ルーヴル・アブダビ」があります。フランスとの共同プロジェクトで開館しました。

2. 7つの首長国からなる連邦国家

UAEは“ひとつの国”ではなく、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジュマーン、フジャイラ、ウンム・アル=カイワイン、ラス・アル=ハイマの7つの首長国(エミレーツ)が集まって構成されています。これぞ“合衆国”という呼び方がふさわしい形態です。

各首長国にはそれぞれに独立した行政や法律があり、ビザや法規制も異なることがあります。ドバイとアブダビが圧倒的に有名ですが、他の首長国にもユニークな文化や観光地がたくさんあります。

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アブダビの首長がUAE全体の“大統領”となるのが慣例で、ドバイの首長は“首相”を務めることが一般的です。

3. 世界一高い「ブルジュ・ハリファ」

ドバイを象徴する超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」は、828メートルという圧倒的な高さを誇り、現在も“世界一高い建築物”として君臨しています。展望台は124階にあり、地上から見るドバイの景色はまさに「雲の上からの眺め」。

このビルは単なる観光名所ではなく、住居・オフィス・ホテル・レストランなどが入る多機能型超高層建築であり、都市のランドマークとしても非常に高い存在感を持っています。

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建物の名前「ハリファ」は、アブダビの現大統領に敬意を表して名付けられました。実は資金支援も受けています。

4. 昔は“真珠の国”だった

現在は石油によって豊かになったUAEですが、20世紀前半までは「真珠採取」が主要産業でした。湾岸の漁師たちは命がけで海に潜り、自然の真珠を収穫しては海外に輸出していたのです。

この真珠貿易で栄えていた時代は、ペルシャ湾全体に共通する歴史でもあり、アラブ文化の根底にある“自然とともに生きる”精神は今も多くの人々に受け継がれています。

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現在のUAEでも伝統的な真珠ダイビングを体験できるツアーが用意されています

5. 石油が国を変えた“奇跡の経済成長”

1960年代に石油が本格的に産出されるようになると、UAEは数十年で“砂漠の小国”から“超近代国家”へと劇的な変貌を遂げました。道路、空港、港湾、教育、医療、都市インフラ……あらゆるものが近代化され、そのスピードは世界でも類を見ないレベルです。

現在では“ポスト石油”時代を見据えて観光・金融・ITなどの産業にも力を入れています。

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UAEの“国民”は実は人口の10%ほど。残りの90%近くは外国人労働者や居住者です。

6. 所得税ゼロ?タックスヘイブン国家の一面

UAEの中には、法人税・所得税が課されない“タックスヘイブン”の首長国が複数存在します。特にドバイやアブダビでは、フリーゾーン(経済特区)を活用して外国企業の誘致を進めており、企業は100%外資での設立が可能。これにより世界中の企業家や投資家がUAEに拠点を移しています。

個人の所得税も基本的にゼロで、収入のほとんどをそのまま手元に残せるのが魅力のひとつです

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ただし、2023年から法人税が一部導入されるなど、国際基準に沿った制度改革も進んでいます。

7. イスラム文化が深く根づく社会

UAEはイスラム教を国教としており、生活のあらゆる場面に宗教の教えが息づいています。モスクのアザーン(礼拝呼びかけ)が1日5回響き、ラマダン中は日中の飲食が制限されるなど、観光客もその文化を尊重する姿勢が求められます。

また、公共の場での服装マナーや男女の距離感、宗教施設の立ち入りなどには配慮が必要です。とはいえ、他宗教への寛容性も高く、多文化共生が実現しています。

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ラマダン中の夜には「イフタール(断食明けの食事)」が豪華に振る舞われ、ホテルやレストランが特別メニューを提供します。

8. 女性の社会進出が目覚ましい

UAEは中東諸国の中でも、特に女性の社会進出が進んでいる国です。議会では女性議員の比率が50%を超え、大臣職にも女性が就いています。また、大学進学率では女性が男性を上回っており、教育水準も非常に高いです。

伝統的なアバヤ(黒い衣装)を着ながらも、自信を持って仕事に取り組む女性たちは、UAEの未来を担う存在として期待されています。

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「女性限定のタクシー」や「女性専用レーン」が存在し、安全と快適さを両立させた公共サービスが発展しています

9. お酒は免許制で管理されている

イスラム教ではアルコールは基本的に禁じられていますが、UAEでは観光客や外国人居住者に配慮し、特定の条件下で飲酒が認められています。例えば、お酒を購入・保管するためには“飲酒許可証(ライセンス)”が必要なこともありました。

最近では規制が緩和され、観光客はホテルやレストランで自由に飲酒できるようになっていますが、公の場での飲酒や酔っ払い行為は厳禁です。

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空港の免税店では酒類が販売されていますが、購入した酒を路上で開けると違法になる可能性があります。

10. ドバイにはロボット警察官がいる!

最先端技術の導入にも積極的なドバイでは、すでにロボット警察官が街に配備されています。見た目は人型で、タブレット型の操作パネルを胸に持ち、観光案内や交通情報、事件の通報も可能。英語・アラビア語を話し、将来的には人工知能で表情や感情も読み取れるようになる計画もあります。

市民や観光客と自然に接する存在として、テクノロジーの象徴的存在です。

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ドバイ警察は“世界一高級なパトカー部隊”としても有名。ランボルギーニやブガッティが導入されています

11. パームジュメイラ:海に浮かぶ人工島

ドバイ沖には「パームジュメイラ」と呼ばれる巨大な人工島があります。その名の通り、上空から見るとヤシの木の形をしており、枝部分に高級ヴィラやホテル、商業施設が並びます。

この島は海を埋め立てて建設された“世界最大の人工島”のひとつであり、ドバイの技術力と富の象徴として世界中の注目を集めています。

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パームジュメイラには「アトランティス・ザ・パーム」という水族館つきの巨大リゾートホテルがあり、宿泊者限定の水中レストランも楽しめます。

12. ドバイ国際空港は世界一のハブ空港

ドバイ国際空港(DXB)は、乗客数において世界有数の空港。ヨーロッパ・アジア・アフリカの中間に位置しているため、乗り継ぎ地として絶大な利便性を誇ります。エミレーツ航空の本拠地でもあり、24時間稼働する巨大空港として、世界中の旅行者に利用されています。

また、空港内の設備も非常に豪華で、ショッピングモール、シャワー、VIPラウンジ、スパまで完備しています。

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ターミナル3は「世界最大の空港ターミナル」としてギネス記録に認定されています

13. ラクダは今も“国の誇り”

UAEでは昔から「ラクダは財産」とされてきました。砂漠地帯での移動・食料・貿易に欠かせない存在であり、現代でもラクダは文化の象徴とされています。観光地ではラクダライドが体験できるほか、ラクダのレースや「美ラクダコンテスト」など、ユニークなイベントも人気です。

さらに、ラクダミルクやコスメなど、新たな産業としても注目されています。

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ラクダの価格は高級品種になると数千万円を超えることもあります

14. 夏は“灼熱”の50度超えも

UAEの夏はまさに灼熱。6月〜9月には日中の気温が50度を超える日も珍しくありません。このため、外出は早朝や夜間に集中し、屋内は冷房がガンガン効いています。建物には冷房の効率を考慮した設計が施されており、空調の性能が生活の質を左右すると言っても過言ではありません。

観光シーズンは11月〜3月の冬季で、この時期は25度前後の過ごしやすい気候が続きます。

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バス停にも冷房が設置されているほど、暑さ対策は徹底されています。

15. UAEは火星にも届いた国

2020年、UAEは中東初の火星探査機「ホープ(Hope)」を打ち上げ、見事に軌道投入に成功。科学技術分野での存在感も高まっており、宇宙開発は次なる国家戦略の柱となっています。

探査機は日本の三菱重工製のロケットで打ち上げられ、国際協力の象徴としても注目を集めました

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UAEは「2117年までに火星に都市を作る」という壮大な国家ビジョンを掲げています。

まとめ:アラブ首長国連邦は“砂漠の奇跡”から“未来のモデル国家”へ

アラブ首長国連邦は、かつては砂漠と真珠で生きる小さな首長国の集合体でした。けれど、石油による富をもとに経済を加速させ、さらに脱石油時代を見据えて、観光・金融・テクノロジー・宇宙開発など多角的な国家戦略を進めています

伝統と現代性が共存し、多文化共生と未来志向を両立させたこの国は、もはや「裕福な中東の国」ではありません。知れば知るほど魅力あふれるUAEの姿、ぜひあなたの中でもアップデートしてみてください。

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