ヤマハが展開する「トリシティ」シリーズは、独自の LMW(Leaning Multi Wheel)技術によってフロント2輪で旋回する3輪スクーターです。なかでも トリシティ300 は、シリーズ最大排気量のプレミアムモデル。街中の走行から高速道路まで幅広く対応できる性能を持ち、安定感と快適性を重視するライダーに注目されています。
ただし、重量や価格、取り回しのクセなどが原因で「後悔した」との声もあるのも事実。今回は評判・評価を整理し、後悔しない選び方をまとめました。
ヤマハ トリシティ300 のスペック
| 項目 | 数値・内容 |
|---|---|
| 実測燃費 | — km/L(使用環境で変動) |
| カタログ燃費 | — km/L(年式・試験法で差) |
| 排気量 | 292 cc |
| エンジン形式 | 水冷 4スト SOHC 4バルブ 単気筒(LMW) |
| 最高出力 | 約28 PS / 7,250 rpm(目安) |
| 最大トルク | 約29 N・m / 5,750 rpm(目安) |
| 装備重量 | 約239 kg |
| シート高 | 約795 mm |
| 燃料タンク容量 | 約13 L |
| 新車価格 | 約950,000〜1,000,000 円(税込・参考) |
| 主要装備 | ABS / TCS / スタンディングアシスト / スマートキー |
トリシティ300は 292cc 水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載。最高出力は約28PS/7,250rpm、最大トルクは約29N·m/5,750rpmと、中型スクーターを超える余裕があります。
車両重量は約239kgと重量級ですが、ABSやトラクションコントロールを装備し、安全性を確保。さらに「スタンディングアシスト機構」が搭載され、停車時に車体を支えるサポートもあります。
燃料タンク容量は13L、シート高は795mm。フロント2輪の安定感と大柄なサイズ感が特徴的です。新車価格は約95〜100万円(税込)と、プレミアムスクーターにふさわしい設定です。
オススメな人
| こんな人にオススメ |
|---|
| 雨天や段差でも安定感を最優先したい |
| 高速を含む中〜長距離を余裕で走りたい |
| 個性的で注目度の高い3輪スクーターを探している |
| 重量やサイズ感を許容できる(駐輪スペースも確保) |
| 価格より安全装備と安心感を重視する |
- 安定感重視で、雨の日や悪路でも安心して走りたい人
- 中型スクーターでは物足りず、高速道路も余裕を持って走りたい人
- 個性的で目立つデザインに惹かれる人
- 重量やサイズ感を苦にしない人
- 趣味+実用の両立を求め、長距離移動も快適にしたい人
後悔するポイント
| 後悔ポイント | 内容 |
|---|---|
| 取り回しの重さ | 約239kgで押し引き・Uターン時に負担 |
| 足つき | シート高約795mmで小柄な方は不安が出やすい |
| 価格 | 100万円前後でコスト負担が大きい |
| 車幅 | フロント2輪でワイド、細い駐輪場やすり抜けに不利 |
| 維持/燃費 | 3輪構造で消耗品・整備費がやや高め、燃費も平均的 |
- 車重が239kgと重く、取り回しや押し引きに苦労する
- シート高795mmで小柄なライダーには厳しい場面も
- 新車価格が100万円前後と高額
- 燃費性能はスクーターとしては平均的で、大きな優位性はない
- 車幅が広く、細い道や駐輪場で苦労するケースあり
壊れやすさ
| 症状 | 想定原因 | 対策 |
|---|---|---|
| スタンディングアシスト不調 | センサー/作動条件の不一致 | 作動条件の再確認、診断機チェック、調整 |
| フロント周りのガタ/異音 | LMW機構の多点可動・摩耗 | 定期点検・グリスアップ、早期ブッシュ交換 |
| ブレーキ/タイヤ摩耗早め | 重量級+3輪で負荷大 | 早めの消耗品交換、上位グレード品の採用 |
| TCS/ABS警告 | センサー汚れ・配線不良 | 清掃・配線点検、必要に応じ交換 |
- 電子制御系(スタンディングアシストやABS/TCS)がトラブルの原因になることがある
- 3輪特有のフロント周りは部品点数が多く、整備・修理費が高め
- 重量があるためタイヤやブレーキパッドの摩耗が早め
- 消耗品の価格が250ccスクーターより高い傾向
カスタムパーツ
| 目的 | 例 |
|---|---|
| 快適性 | ロング/ハイスクリーン、ゲルシート、グリップヒーター |
| 積載 | トップケース(39〜50L)、サイドケース、強化リアキャリア |
| 視認性 | LED強化バルブ、デイライト、反射テープ |
| 安全/記録 | 高性能ブレーキパッド、ドラレコ、ETC2.0 |
| 保護 | エンジン/ボディガード、プロテクションフィルム |
- 快適性:ロングスクリーン、ゲルシート、グリップヒーター
- 積載:純正トップケース、サイドケース、リアキャリア
- 外装:LEDライトカバー、ガーニッシュ、サイドバイザー
- 安全性:ブレーキ強化パーツ、ドラレコ、ETC2.0 車載器
ライバル比較
| 項目\車種 | ヤマハ トリシティ300 | ヤマハ XMAX300 | ホンダ フォルツァ250 | ベスパ GTS SuperTech300 |
|---|---|---|---|---|
| 排気量 | 292cc | 292cc | 249cc | 278cc |
| 出力/トルク | 約28PS/29N·m | 約28PS/29N·m | 約23PS/24N·m | 約24PS/26N·m |
| 車重 | 約239kg | 約180kg前後 | 約185kg | 約160kg |
| 安定性 | フロント2輪で抜群 | 2輪標準 | 2輪標準 | 2輪標準 |
| 装備 | ABS、TCS、スタンディングアシスト | ABS、TCS | ABS、電装充実 | ABS、ASR、TFT |
| 価格帯 | 約95〜100万円 | 約80〜90万円 | 約70〜80万円 | 約95〜100万円 |
口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 雨天や段差でも安定感が段違いで安心して走れる。 | 駐輪場や押し引きで重さを強く感じる。 |
| 高速直進性が高く、長距離の疲労が少ない。 | 価格と整備コストが高めでコスパ評価は割れる。 |
| 唯一無二の存在感で注目度が高い。 | 車幅が広く、狭い路地では扱いにくい。 |
良い口コミ
- 「雨の日や段差でも安定感が桁違い」
- 「高速道路での直進安定性が素晴らしい」
- 「唯一無二の存在感で注目される」
悪い口コミ
- 「駐輪場での取り回しが大変」
- 「重くて押し引きに苦労する」
- 「値段が高すぎる」
評価
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| デザイン | ★★★★☆ | 未来的で個性的、好き嫌いが分かれる |
| 快適性 | ★★★★★ | 安定感・装備で快適 |
| 走り | ★★★★☆ | 余裕あるが重さの影響もあり |
| 積載 | ★★★★☆ | トップケース追加で実用性大 |
| 維持費 | ★★★☆☆ | 重量と3輪機構でコスト高め |
| 総合 | ★★★★☆ | 安定性重視なら後悔しない一台 |
中古市場
| 年式帯/状態 | 相場目安 | 注意点 | 狙い目 |
|---|---|---|---|
| 登録直後〜低走行 | 85〜95万円前後 | 転倒歴・車体左右の擦り傷 | 保証付・点検記録簿完備 |
| 数年落ち/中走行 | 70〜85万円 | LMW機構のガタ/摩耗、タイヤ偏摩耗 | 消耗品交換済み・屋内保管 |
| 事故/修復歴あり | 個体差大 | フロントまわりの修正精度・直進性 | 専門店での整備記録が明確な個体 |
発売から数年経ち、中古流通も出てきています。価格帯は70〜85万円程度が多く、状態の良い低走行車は高値安定。3輪構造ゆえに修復歴や事故歴があると評価が下がりやすいので、購入時は必ず点検をおすすめします。
まとめ
ヤマハ トリシティ300 は、独自のLMW技術による圧倒的な安定感が最大の魅力です。雨の日や長距離移動でも安心して走れる一方で、車重や価格、駐輪のしづらさなどが「後悔ポイント」になり得ます。
後悔回避策としては、実際に試乗して重量感や取り回しを確認すること、駐輪環境を事前にチェックすることが重要です。これらをクリアできれば、唯一無二の存在感と安心感を楽しめる一台となるでしょう。




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