アイスランドってどんな国?知れば知るほど引き込まれる雑学15選

国紹介

「寒そう」「火山と氷河の国」「オーロラが見える場所」——そんな漠然としたイメージの先には、もっと多くの面白い現実があります。

アイスランドは世界で最も平和な国であり、再生エネルギー大国であり、エルフを信じ、読書を愛する文化国家。この記事では、そんなアイスランドに関する雑学を15個まとめてご紹介します。

この記事でわかること
アイスランドが世界一平和な国と言われる理由
実は氷より火山が多い地形の真実
エルフや妖精と共存する不思議な信仰
再生可能エネルギー100%の生活システム
世界初の女性大統領を生んだ社会の姿
名前文化、ビール禁止の歴史、白夜の暮らしまで
誰かに話したくなる独特の文化や生活習慣

1. 世界一平和な国

アイスランドは「世界平和度指数」で毎年トップクラスにランクインする超平和国家。軍隊は存在せず、治安は非常に良く、殺人事件も年に数件あるかどうかというレベルです。警察官は基本的に非武装で、社会全体が「信頼」で成り立っていると言っても過言ではありません。

人々はお互いを信じ、ドアに鍵をかけない家庭も多く、観光客にも優しく接してくれます。まさに“地球上でもっとも平和な場所”のひとつです。

おまけ雑学

アイスランドの刑務所は比較的自由度が高く、外出や買い物が許されている施設もあります。

2. 氷より火山が多い国

「アイス(氷)の国」という名前のわりに、実際のアイスランドには活火山が多く、温泉や地熱地帯も広がっています。国土の10%以上が氷河に覆われているとはいえ、火山活動は非常に活発で、地熱エネルギーの恩恵を大きく受けています。

一方、氷に覆われていそうな名前の「グリーンランド」の方が、実際は氷床に覆われている面積が大きいという事実も面白いところです。

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アイスランドの地名は、他国の入植者を遠ざけるために「寒そうな名前」にしたという説もあります。

3. エルフと共存する国

アイスランドでは、エルフや“隠れ人”と呼ばれる精霊の存在を信じている人が多く、彼らの住処とされる岩や丘を尊重する文化が根づいています。道路や建物の建設時にエルフの領域を避けるように計画が変更されることもあり、現代社会においても自然と見えない存在への配慮が当たり前とされています。

この信仰は宗教というより「自然との共生意識」に近く、古代から続くアイスランド人の自然観を反映しています。

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“エルフ専門家”が自治体と建築業者の間で調整役を務めることもあります。

4. 電力は再生可能エネルギー100%

アイスランドは地熱と水力を活かした再生可能エネルギーで、ほぼすべての電力をまかなっています。特に地熱発電が活発で、家庭の暖房や温水供給にも利用されており、エネルギーコストは非常に低いです。

そのため電気代は安く、炭素排出量も極めて少ない“エコ国家”として世界中から注目を集めています。

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アイスランドの一部地域では、地熱を利用してパンを地中で蒸し焼きにする「地熱パン」が名物です。

5. 苗字が存在しない

アイスランドでは、一般的な「姓(ファミリーネーム)」という概念がありません。代わりに「〇〇の息子(-son)」や「〇〇の娘(-dóttir)」というパトロニム形式の名前を用います。つまり親子でも姓が異なります。

そのため電話帳は“ファーストネーム順”で並んでおり、敬称もほぼ使われません。社会全体が非常にフラットで、先生も大臣も下の名前で呼ばれる文化が根づいています。

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外国風の名前を子どもに付けるには、政府の「人名委員会」の許可が必要です。

6. 世界初の女性大統領

1980年、アイスランドは世界で初めて、民主的な選挙で選ばれた女性大統領「ヴィグディス・フィンボガドッティル」を誕生させました。当時、女性の社会進出が世界的に進んでいない中での快挙は大きな注目を集めました。

彼女は文化や教育の推進に尽力し、任期中も高い支持を集め続けました。アイスランドの男女平等意識は今も世界トップレベルです。

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アイスランドでは男女間の賃金格差を法律で禁止しており、世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」で毎年1位を獲得しています。

7. 音楽・文化の独立性が強い

かつてアイスランドでは、ラジオで輸入音楽を流すことが法律で禁止されていました。これは自国の音楽文化を守るための措置であり、そのおかげで独特な音楽シーンが育まれました。

ビョークやシガー・ロスといった国際的アーティストも、こうした背景から生まれた“アイスランドならでは”の音楽性を持っています。

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国内最大の音楽イベント「アイスランド・エアウェイブス」は世界中の音楽ファンから注目されています。

8. 名前で呼び合う社会

アイスランドの人々は、初対面でもお互いをファーストネームで呼び合います。敬称や苗字を使う文化がないため、政治家や教授、医者に対しても“さん”付けのような言い方はせず、あくまで平等な関係が基本です。

この文化は、上下関係を重視しないフラットな社会構造を象徴しています。

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電話帳で首相の名前を検索しても、あいうえお順のようにファーストネーム順に並んでいます。

9. ビール禁止時代があった

驚くべきことに、アイスランドでは1989年までビールの販売が法律で禁止されていました。ワインや蒸留酒はOKだったにもかかわらず、ビールだけが“アルコール度数が中途半端で危険”とみなされ、長らく規制されていたのです。

現在ではビール解禁日である「3月1日」が“ビールの日”として祝われています。

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当時のビール禁止時代、人々はコーラとウォッカを混ぜて「自家製ビール風」を楽しんでいたとか。

10. 火山とともに生きる国

アイスランドには約130の火山が存在し、その多くが活火山です。火山活動は日常の一部であり、2010年にエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火した際には、火山灰がヨーロッパ全域の航空網を麻痺させました。

火山は脅威であると同時に、豊富な地熱エネルギーや観光資源として、アイスランドの経済や暮らしを支える存在でもあります。

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火山の名前が長くて読みにくいため、現地の人もニックネームで呼ぶことが多いそうです。

11. 本の洪水“Jólabókaflóð”という伝統

アイスランドは世界有数の読書大国です。特に印象的なのが、クリスマスに本を贈り合う伝統「ヨーラボーカフロズ(Jólabókaflóð)」。これは「本の洪水」という意味で、年末になると新刊が一気に出版され、贈り物として多くの家庭で交換されます。

クリスマス・イブには家族が静かに本を読みながら過ごすのが習慣。プレゼントに本を贈る文化は、知識や静かな時間を重んじるアイスランド人の国民性を表しています。

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国民1人あたりの出版点数は世界トップクラス。10人に1人が一度は本を出版したことがあるという調査もあります。

12. 人口の大半が首都圏に集中

アイスランドの人口は約37万人と非常に少なく、そのうちの約3分の2が首都レイキャビクおよびその周辺に住んでいます。都市部と地方の人口差が大きく、地方はまさに“手つかずの自然”に囲まれた環境です。

そのため、公共交通は都市部に集中し、地方では自家用車が必須。また、地方に行くほど温泉や氷河、火山といった自然観光資源が豊富にあります。

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レイキャビクは「煙が立ちのぼる湾」という意味の地名。温泉の蒸気が語源になっています。

13. 警察官は非武装が基本

アイスランドの警察官は原則として武器を携帯していません。それほど治安が良く、凶悪犯罪が少ないため、銃を使う必要性が低いのです。犯罪者とも“対話”で解決する文化が根づいており、逮捕よりも話し合いによる解決が優先されます。

この非武装の治安維持体制は世界でも珍しく、国民の警察に対する信頼度の高さも特徴です。

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アイスランドで警察官が発砲した事件は、過去に1度しか記録されていません(しかもその際、全国が衝撃を受ける大事件となりました)。

14. 白夜と極夜のある暮らし

アイスランドでは、夏には太陽がほとんど沈まない「白夜」、冬には太陽が数時間しか昇らない「極夜」が訪れます。特に6月頃の白夜には、深夜でも明るく、観光地は24時間営業のこともあるほどです。

一方、冬は長く暗い時間が続くため、季節性うつや不眠症が社会問題にもなっています。その対策として、光療法や温泉利用が日常に組み込まれています。

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白夜の時期、地元では「ミッドナイト・ゴルフ」や「真夜中のハイキング」などが人気のアクティビティです。

15. 古代北欧語が今も生きている

アイスランド語は、古代ノルウェー語に非常に近い形を保っており、1000年以上ほとんど変化していません。そのため、現代のアイスランド人でも、中世のサガ(英雄叙事詩)を原文で読むことができるといわれています。

この言語の保存状態は世界でも稀で、アイスランドのアイデンティティの核とも言える存在です。新語も極力外来語を使わず、既存の語から造語する方針がとられています。

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「パソコン」「メール」などの言葉も、すべてアイスランド語で独自の造語があるため、日常会話の中に英語はほぼ登場しません。

まとめ:アイスランドは“知れば知るほどハマる”世界トップクラスの個性派国家

アイスランドはただの寒い国ではありません。火山と氷河が共存し、エルフを信じ、平和を実現し、再生エネルギーで暮らし、読書と文化を大切にする。そのどれもが、人類の知恵と自然との共生を感じさせてくれます。

もしあなたが「一度は行ってみたい国」を探しているなら、アイスランドはまさにその筆頭候補になるでしょう。この記事の雑学をきっかけに、世界の広さと面白さを再認識していただけたら嬉しいです。

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