Nikon Z 7IIは、Zシリーズのハイエンドモデルとして2020年に登場しました。4575万画素の高解像度センサーを搭載し、緻密な描写力とダイナミックレンジの広さで風景・商品・スタジオ撮影に強みを発揮する一台です。前モデルZ 7の弱点を改善し、デュアルEXPEED 6プロセッサーによる処理速度アップ、デュアルスロット採用、AFや連写性能の強化など、実用性が大きく向上しました。数ヶ月実際に使ってみて感じたのは「安心感のあるカメラ」ということ。信頼性の高い画質と安定した操作性により、プロからハイアマチュアまで幅広く満足できる仕上がりです。
特徴と第一印象
手にした瞬間に感じるのは、Nikonらしいしっかりした作り込み。ボディの剛性感、グリップの深さ、操作系のボタン配置は一眼レフを思わせる安心感があります。4575万画素という高画素機ながらも、連写性能や高感度耐性がバランス良く、風景やポートレートだけでなく動体撮影にも対応可能。ファインダーは369万ドットで見やすく、長時間の撮影でも疲れにくいです。初期設定の段階でメニューが直感的に分かりやすく、Nikonユーザーはもちろん、他社からの乗り換えでも迷うことが少ない印象でした。
実際に使って良かった点
4575万画素の超高解像
風景や商品撮影で圧倒的な描写力を発揮。細部の質感までしっかり残り、大判プリントでも美しい仕上がり。
デュアルスロット採用
XQD/CFexpress+SDの2枚挿しに対応し、信頼性が大幅にアップ。仕事での使用でも安心感が違います。
高性能AFの進化
瞳AF・顔認識AFが高速かつ安定しており、ポートレートや子ども撮影でも失敗が少ない。
ボディ内5軸手ブレ補正
暗所や望遠撮影でも安定した写真が撮影可能。三脚が使えないシーンでも頼りになります。
堅牢なボディと操作性
防塵防滴仕様のマグネシウム合金ボディ、深いグリップ、使いやすいボタン配置で、長時間の撮影でも安心。
使って気になった点
連写性能は上位機種に劣る
秒間10コマ連写は十分ながら、スポーツや動体メインではZ 9やZ 8に軍配が上がります。
高画素ゆえのデータ負荷
RAWファイルが非常に大きく、PC現像に高いスペックが必要。ストレージ容量も圧迫しがちです。
動画性能は標準的
4K60p対応ですがクロップあり。動画メインの人はZ 6IIやZ 8の方が適しています。
価格が高め
発売当初から高価格帯に位置しており、エントリーユーザーにはハードルが高い印象。
バッテリー消費
高解像度センサーとEVF使用により、撮影枚数はやや少なめ。長時間の撮影では予備バッテリー必須です。
スペック表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2020年12月 |
| センサー | フルサイズ CMOS |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| 連写性能 | 約10コマ/秒 |
| 動画性能 | 4K60p(クロップあり) |
| 手ブレ補正 | 5軸ボディ内補正 |
| 重量 | 約705g(バッテリー込) |
| バッテリー | EN-EL15c、約420枚 |
| 価格 | 約33〜35万円(2025年時点) |
Nikon Z 7IIは、単に高画素というだけでなく、ボディ内手ブレ補正や信頼性の高いデュアルスロットを備えた万能機です。上記のスペック表にある通り、静止画・動画の両方で安定した性能を発揮し、風景や商品撮影など精細さを求められる現場で特に威力を発揮します。スペックを確認しながら、自分の撮影ジャンルに合うかどうかを検討すると失敗のない選び方ができます。
旧モデル Z 7 からの進化点
- 画像処理エンジンをデュアルEXPEED 6に強化、AF性能が大幅向上
- デュアルスロット化で信頼性がアップ
- 4K60p動画に対応(クロップあり)
- 連写性能が最大10コマ/秒に改善
- バッファ増加により連続撮影が安定
他機種との比較
| モデル | 画素数 | 連写 | 動画性能 | 特徴 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| Nikon Z 7II | 4575万画素 | 10コマ/秒 | 4K60p(クロップ) | 高解像+堅牢性+安定性 | 約33〜35万円 |
| Nikon Z 6II | 2450万画素 | 14コマ/秒 | 4K60p(クロップ) | バランス型オールラウンダー | 約25万円 |
| Nikon Z 8 | 4571万画素 | 20コマ/秒 | 8K30p / 4K120p | Z 9譲りの高速機能搭載 | 約55万円 |
| Sony α7R V | 6100万画素 | 10コマ/秒 | 8K24p / 4K60p | 超高解像+AI AF | 約55万円 |
同価格帯のZ 6IIや上位機のZ 8、さらに他社のSony α7R Vと比較することで、Z 7IIの立ち位置が明確になります。高画素・高精細を重視するならZ 7II、動体や動画メインならZ 8やZ 6IIといった選び方が可能です。他社モデルと比較しても描写力や操作性に強みがあるため、静止画重視ユーザーには特におすすめできます。自分の用途を意識して比較表を参考にすると最適解にたどり着けます。
購入者の口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 4575万画素の描写力が圧巻。風景や商品撮影でディテールまで美しい | RAWデータが重く、PC処理に時間がかかる |
| AF性能が大幅に改善され、人物・動物撮影が楽になった | 動画性能は他社に劣る印象 |
| デュアルスロットで安心感があり、仕事用途でも信頼できる | バッテリー持ちがもう少し欲しい |
実際のユーザーの声は、カタログや公式サイトでは得られないリアルな情報源です。Z 7IIに関しては「解像感の素晴らしさ」や「AFの安定性」が好評ですが、一方で「データの重さ」や「動画性能への不満」も挙げられています。こうしたポジティブ・ネガティブ両方の口コミを知ることで、購入後のギャップを減らし、後悔のない選択につながります。特に仕事用に導入を検討する場合は、口コミを参考にすると失敗が少なくなります。
総評|このカメラはこんな人におすすめ
Nikon Z 7IIは「解像力と安定性」を求める写真愛好家やプロに向けたフルサイズ機です。4575万画素の高画素センサーと安定したAF性能により、風景や商品、ポートレートで力を発揮。動画は専門機に一歩譲るものの、静止画重視のユーザーにとっては理想的な一台です。特に「ディテールを徹底的に残したい」「仕事で安心して使えるミラーレスが欲しい」という方におすすめです。
まとめ
Z 7IIは、高解像度と操作性のバランスが取れたフルサイズ機ですが、データ処理や動画性能には注意が必要です。動体撮影や動画中心ならZ 8やZ 6II、解像度を優先するならZ 7II、という選び方がベスト。購入前に「自分が撮りたい被写体」と「必要な性能」を明確にすることで、後悔しない選択ができるでしょう。




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