Fujifilm X-T5は、2022年11月に発売されたXシリーズの最新世代モデルで、X-T4の後継機にあたります。約4020万画素の高解像センサー「X-Trans CMOS 5 HR」を搭載し、圧倒的な解像力と色再現性を実現。さらにボディ内5軸手ブレ補正や被写体検出AFなど最新の撮影支援機能を搭載しながらも、重量は557gと軽量。スナップから風景、ポートレートまで幅広く対応できるオールラウンダーです。クラシカルなダイヤル操作と最新技術を融合させたX-T5は、「写真を撮る楽しさ」と「作品クオリティ」をどちらも追求したい人に最適な一台です。
特徴と第一印象
初めて手に取ったとき、まず感じたのは「軽いのにしっかりしている」ということ。X-T4よりも小型・軽量化され、手に馴染むサイズ感でありながら、剛性感のあるボディが安心感を与えてくれます。クラシックカメラを思わせる3つのダイヤル(ISO・シャッタースピード・露出補正)は直感的に操作でき、撮影のリズムを心地よくしてくれます。画質面では4020万画素の恩恵で、細部の描写が非常に精細。特に風景撮影では葉脈や岩肌まで繊細に描き出してくれます。また、新しい被写体検出AFは人物・動物・鳥・車などを自動認識し、撮影の歩留まりを大きく改善してくれました。
実際に使って良かった点(強み)

圧倒的な高解像力
4020万画素センサーはAPS-Cとしてはトップクラスの解像度。大判プリントやトリミングにも強く、風景や商品撮影で細部まで描写できます。
軽量コンパクトなボディ
前モデルより約50g軽量化されており、旅行や登山にも持ち出しやすい。長時間の撮影でも疲れにくく、女性ユーザーにも好評。
進化した被写体検出AF
人物だけでなく、動物や車両も自動認識。動体撮影の成功率が上がり、スポーツや野鳥撮影でも信頼できる性能です。
フィルムシミュレーションの充実
20種類のフィルムシミュレーションを搭載し、JPEG撮って出しでも作品感のある仕上がりに。特に「Nostalgic Neg.」の色味は絶品。
バッテリー持ちの改善
省電力化により、CIPA基準で約740枚の撮影が可能。予備バッテリーなしでも1日安心して撮影できます。
実際に使って気になった点(弱み)

高画素ゆえの手ブレリスク
4020万画素は解像度が高い分、わずかな手ブレでも目立つ場合があります。撮影時はシャッタースピードを速めに設定する必要あり。
ローリングシャッター歪み
電子シャッター使用時、動きの速い被写体では歪みが発生することがあります。スポーツや高速被写体はメカシャッター推奨。
動画機能はX-H2に劣る
6.2K撮影には対応していますが、動画性能は同時期発売のX-H2やX-H2Sの方が上。動画メインの方には物足りないかもしれません。
価格がやや高め
発売時の実売価格は約25万円前後。性能に見合った価格ですが、初心者には少しハードルが高い印象。
RAW現像のPC負荷
高画素RAWはファイルサイズが大きく、現像時にPCスペックが必要。ストレージ容量にも注意が必要です。
Fujifilm X-T5のスペック表
| モデル名 | Fujifilm X-T5 |
|---|---|
| 発売日 | 2022年11月 |
| センサー | APS-C X-Trans CMOS 5 HR |
| 有効画素数 | 約4020万画素 |
| ISO感度 | ISO 125〜12800(拡張 ISO 64〜51200) |
| シャッタースピード | 1/8000〜15秒(メカシャッター) |
| 連写性能 | 最大15コマ/秒(メカ)、最大20コマ/秒(電子) |
| 動画性能 | 6.2K 30p / 4K 60p / FHD 240p |
| 手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正(最大7.0段) |
| 重量 | 約557g(バッテリー・カード含む) |
| 価格 | 約250,000円(発売時) |
旧モデル X-T4 からの進化点
X-T5は、前モデルX-T4から多くの面で進化しています。特に以下のポイントが印象的です。
- 画素数アップ:2610万画素 → 4020万画素に大幅向上し、より精細な描写が可能。
- 軽量化:重量が約50g軽くなり、持ち運びがさらに快適に。
- 被写体検出AF追加:人物だけでなく動物や乗り物も認識可能に。
- 省電力化による撮影枚数増加:CIPA基準約600枚 → 約740枚へ。
- 新フィルムシミュレーション:「Nostalgic Neg.」追加で表現の幅が広がった。
この進化により、静止画撮影を重視するユーザーにとって魅力が大きくなりました。
他機種との比較
| モデル | 画素数 | 重量 | 動画性能 | AF性能 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| Fujifilm X-T5 | 4020万画素 | 約557g | 6.2K 30p / 4K 60p | 被写体検出AF(人物・動物・車等) | 約25万円 |
| Fujifilm X-T4(生産終了) | 2610万画素 | 約607g | 4K 60p | 人物認識AF | 約18〜20万円(中古) |
| Fujifilm X-H2 | 4020万画素 | 約660g | 8K 30p / 4K 60p | 被写体検出AF | 約28万円 |
| Sony α7 IV | 3300万画素(フルサイズ) | 約658g | 4K 60p | リアルタイム瞳AF(人物・動物・鳥) | 約33万円 |
口コミ
良い口コミ
- 「軽くて高解像度、風景撮影が楽しくなった」
- 「フィルムシミュレーションの色味が素晴らしい」
- 「AFが賢くなって動き物にも強い」
悪い口コミ
- 「RAW現像のデータが重くPCに負荷がかかる」
- 「動画性能はX-H2の方が優れている」
- 「価格が高めで初心者には手が出しづらい」
総評
Fujifilm X-T5は、静止画中心のフォトグラファーにとって理想的な相棒となる一台です。高解像度・軽量ボディ・充実した色表現・優秀なAFと、作品撮りから日常のスナップまで幅広く活躍します。動画性能は専門機に劣るものの、写真撮影メインなら価格以上の満足感を得られるでしょう。




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