Fujifilm X-T4は、2020年に発売されたXシリーズのハイエンドAPS-C機であり、静止画・動画の両面で高い評価を得てきました。X-Trans CMOS 4センサーとX-Processor 4を搭載し、約2610万画素の高画質を実現。さらに、シリーズ初となるボディ内手ブレ補正を採用したことで、手持ち撮影の自由度が大幅に向上しました。動画性能も進化し、4K60pやFHD240pなどクリエイター向け機能を多数搭載。数日間の旅行撮影で使ってみた感想は「どんなシーンでも安心して任せられる万能カメラ」ということ。写真の色表現と動画性能の両立は、当時のAPS-C機の中で頭一つ抜けた存在でした。
特徴と第一印象
X-T4を手にしたときの第一印象は、クラシカルなダイヤル操作と堅牢なボディの安心感。X-T3から引き継がれた操作系に加え、バリアングル液晶が採用され、自撮りや動画撮影が格段にやりやすくなりました。シャッターフィーリングも向上し、メカシャッターで最大15コマ/秒の高速連写が可能。Xシリーズならではのフィルムシミュレーションも健在で、JPEG撮って出しでも独特の色合いを楽しめます。実際に旅行先でスナップを撮ってみても、柔らかい色味と高解像感があり、編集なしでもSNSに載せたくなる仕上がりでした。
実際に使って良かった点
ボディ内手ブレ補正の搭載
最大6.5段分の補正効果で、夜景や室内でも手持ちで撮影可能。三脚なしでも安定した結果が得られます。
動画性能の強化
4K60pやFHD240pに対応。スローモーションや高画質動画を手軽に撮影でき、YouTubeや映像制作にも十分活用可能。
高性能AFと連写
メカシャッター15コマ/秒、電子シャッター20コマ/秒と動体撮影にも強い。AF追従も向上し、子どもや動物も快適に撮れます。
フィルムシミュレーションの多彩さ
クラシックネガ、エテルナ、ベルビアなど多彩な色表現が可能。RAW現像をせずとも表現の幅が広がります。
堅牢かつバッテリー強化
防塵防滴のボディに加え、大容量バッテリー(NP-W235)を採用。CIPA基準で約500枚と前モデルから大幅改善。
実際に使って気になった点
重量がやや増加
約607gとX-T3より重くなり、携帯性を重視する人には少し負担になるかもしれません。
動画時の発熱
長時間の4K60p撮影では発熱が気になることがあり、真夏の屋外では停止リスクも。
AFは最新機に劣る
被写体検出AFは非搭載で、X-T5やX-H2と比べると追従性能は控えめ。
価格が当初は高め
発売当初は約20万円台後半。性能に見合っているものの、初心者には手が出しにくい価格帯。
現行機に比べると型落ち感
すでに生産終了となっており、最新モデルと比べると高画素やAF面で差があります。
スペック表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2020年4月 |
| センサー | APS-C X-Trans CMOS 4 |
| 有効画素数 | 約2610万画素 |
| 連写性能 | メカ15コマ/秒、電子20コマ/秒 |
| 動画性能 | 4K60p / FHD240p |
| 手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正(最大6.5段) |
| 重量 | 約607g(バッテリー込) |
| バッテリー | NP-W235、約500枚 |
| 価格 | 中古で約15〜18万円(2025年時点) |
X-T4の主要スペックを見れば、静止画・動画の両面で優れたバランスを持つことが分かります。ボディ内手ブレ補正や高画質動画対応など、APS-C機ながらプロユースにも応えられる完成度の高さが魅力です。
旧モデルとの進化点
- ボディ内手ブレ補正を新搭載
- バリアングル液晶に変更
- 新バッテリーで撮影枚数が大幅増加
- シャッターユニットの耐久性強化(30万回)
- 動画性能が大幅進化(4K60p・FHD240p対応)
他機種との比較
| モデル | 画素数 | 重量 | 動画性能 | 特徴 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| Fujifilm X-T4 | 2610万画素 | 607g | 4K60p / FHD240p | 初のボディ内手ブレ補正搭載X-T | 中古15〜18万円 |
| Fujifilm X-T5 | 4020万画素 | 557g | 6.2K30p / 4K60p | 最新高画素APS-C機 | 新品25万円前後 |
| Fujifilm X-H2 | 4020万画素 | 660g | 8K30p / 4K60p | 動画重視のフラッグシップ | 新品28万円前後 |
| Sony α6600 | 2420万画素 | 503g | 4K30p | 堅牢APS-Cフラッグシップ | 中古12〜15万円 |
他機種と比べると、X-T4は「万能型オールラウンダー」としての立ち位置が明確です。X-T5やX-H2がスペック重視で進化した一方、価格と機能のバランスを考えるとX-T4はいまだに十分な競争力を持っています。
購入者の口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 手ブレ補正が優秀で夜景や室内撮影が快適 | 重量が増えて携帯性がやや落ちた |
| フィルムシミュレーションの色が魅力的で現像が不要 | AF性能は最新モデルに劣る |
| 動画性能が優秀でYouTube撮影にも十分使える | 長時間動画撮影で発熱が気になる |
実際の口コミからは、手ブレ補正や動画性能の高さが強く評価されている一方で、重量増やAF性能への物足りなさを指摘する声もあります。購入前に長所と短所を把握することで、後悔の少ない選択につながるでしょう。
総評|こんな人におすすめ
Fujifilm X-T4は、生産終了となった現在でも「静止画も動画もバランスよくこなせる万能機」として高い人気を誇ります。最新モデルに比べると解像度やAF性能で劣るものの、手ブレ補正や動画機能の完成度は今なお十分に通用します。特に「中古でコスパ良くオールラウンダーを探している人」「フィルムライクな色表現を楽しみたい人」「一台で旅行から作品撮りまで対応したい人」には最適です。
まとめ
X-T4は、Xシリーズの転換点ともいえるモデルであり、静止画・動画の両面で高い完成度を実現しました。重量増やAF性能の課題はあるものの、価格がこなれてきた今では非常に魅力的な選択肢です。最新のX-T5やX-H2と迷う場合でも、「コスト」「性能」「用途」のバランスを考えると、X-T4は依然として強力な候補となるでしょう。




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