「大型バイク=燃費が悪い」というイメージを持つ方は多いかもしれません。
しかし近年の大型バイクは、電子制御やエンジンの効率改善により、リッタークラスでも20km/L前後を走れるモデルも珍しくありません。特に600cc〜900cc前後の並列2気筒モデルやミドルクラスのアドベンチャーは、軽量な車体と扱いやすいエンジン特性で、実測値でも驚異的な燃費を記録しています。
この記事では、2025年現在、国内で現行購入可能な400cc超の大型バイクを対象に、ユーザーの実走レビューやテスト走行をもとにした実測燃費ランキングTOP10を作成しました。
燃費性能だけでなく、それぞれのモデルが持つキャラクターや使い勝手についても詳しく解説していきます。
燃費が良い大型バイクランキングTOP10
| 順位 | モデル名 | メーカー | 実測燃費 | カタログ燃費 | エンジン形式 | 新車価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | ヤマハ XSR700 | ヤマハ | 約30.0km/L | ― | 水冷並列2気筒 689cc 74PS | 約88万円 |
| 2位 | ホンダ NC750X | ホンダ | 約29.5km/L | 43.0km/L(定地) | 水冷並列2気筒 745cc 54PS | 約99.8万円 |
| 3位 | カワサキ Ninja 650 | カワサキ | 約27.0km/L | 34.0km/L(定地) | 水冷並列2気筒 649cc 68PS | 約92万円 |
| 4位 | ホンダ CBR500R | ホンダ | 約27.0km/L | 27.0km/L(WMTC) | 水冷並列2気筒 471cc 47PS | 約71万円 |
| 5位 | スズキ V-Strom 650 | スズキ | 約26.7km/L | 34.0km/L(定地) | 水冷並列2気筒 645cc 70PS | 約95万円 |
| 6位 | ヤマハ MT-07 | ヤマハ | 約26.4km/L | 40.0km/L(定地) | 水冷並列2気筒 689cc 74PS | 約80万円 |
| 7位 | スズキ SV650 | スズキ | 約25.7km/L | 28.0km/L(定地) | 水冷並列2気筒 645cc 72PS | 約79万円 |
| 8位 | ホンダ CB500X | ホンダ | 約25.0km/L | 39.0km/L(WMTC) | 水冷並列2気筒 471cc 47PS | 約92万円 |
| 9位 | トライアンフ Street Twin | トライアンフ | 約24.7km/L | 24.5km/L(WMTC) | 水冷並列2気筒 900cc 64PS | 約100万円 |
| 10位 | ホンダ CBR650R | ホンダ | 約23.6km/L | 28.0km/L(WMTC) | 水冷直列4気筒 649cc 95PS | 約113万円 |
各モデル詳細解説
1位:ヤマハ XSR700

| バイク名 | ヤマハ XSR700 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 新車販売価格 | 約88万円 |
| 中古平均価格 | 約70〜90万円 |
| 平均燃費(実測) | 約30.0km/L |
| カタログ燃費 | ― |
| タンク容量 | 14L |
| 排気量 | 689cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 74PS |
XSR700はMT-07のプラットフォームをベースにしたネオクラシックモデル。689cc並列2気筒「CP2エンジン」は、低中速のトルクが分厚く、街乗りから高速まで扱いやすい特性を持ちます。最大の魅力はその燃費性能で、ユーザー実測で約30km/Lを記録。ツーリングでは1回の給油で400km以上走れる航続距離を誇ります。軽量な車体とスリムなデザインが取り回しの良さに貢献し、燃費と走行性能を両立。クラシカルなデザインと最新の足回りを融合させた万能バイクです。
2位:ホンダ NC750X

| バイク名 | ホンダ NC750X |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 新車販売価格 | 約99.8万円〜 |
| 中古平均価格 | 約80〜100万円 |
| 平均燃費(実測) | 約29.5km/L |
| カタログ燃費 | 43.0km/L(定地) |
| タンク容量 | 14L(収納スペース付) |
| 排気量 | 745cc |
| エンジン形式 | 水冷SOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 54PS |
ホンダNC750Xは「大型バイクで最も燃費が良い」と称されるツアラー。745ccの並列2気筒は最大出力こそ54PSと控えめですが、低中速トルクが太く、実用回転域での燃費効率が圧倒的に優れています。ユーザー実測では約29.5km/Lを記録し、高速巡航では30km/L超えも可能。タンク位置には大容量ラゲッジスペースを備え、通勤からツーリングまで幅広く活躍。大型ながらリッターあたりの経済性は250cc並みで、「燃費特化の大型」と言っても過言ではありません。
3位:カワサキ Ninja 650

| バイク名 | カワサキ Ninja 650 |
|---|---|
| メーカー | カワサキ |
| 新車販売価格 | 約92万円 |
| 中古平均価格 | 約70〜85万円 |
| 平均燃費(実測) | 約27.0km/L |
| カタログ燃費 | 34.0km/L(定地) |
| タンク容量 | 15L |
| 排気量 | 649cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 68PS |
Ninja 650はスポーツルックながら実用性を兼ね備えたツアラーバイク。649cc並列2気筒は高回転域も楽しめますが、実燃費は控えめ走行で27km/L前後をマーク。高速道路での巡航性能が高く、安定したライディングポジションが長距離燃費の良さにも貢献しています。軽快なハンドリングに加え、街乗りでは20km/L台前半〜中盤が多く、燃費効率を維持しやすい点も特徴です。
4位:ホンダ CBR500R

| バイク名 | ホンダ CBR500R |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 新車販売価格 | 約71万円〜 |
| 中古平均価格 | 約60〜70万円 |
| 平均燃費(実測) | 約27.0km/L |
| カタログ燃費 | 27.0km/L(WMTC) |
| タンク容量 | 17.1L |
| 排気量 | 471cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 47PS |
CBR500RはリッターSSを思わせるフルカウルデザインながら、471cc並列2気筒エンジンを搭載した扱いやすいスポーツモデル。実測燃費は27km/L前後で、街乗りからツーリングまで幅広く好成績を残しています。47PSのエンジンは欧州A2ライセンス対応で、効率を重視した設計。軽量車体も相まって、スポーティさと燃費をバランス良く両立した万能バイクです。
5位:スズキ V-Strom 650

| バイク名 | スズキ V-Strom 650 |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 新車販売価格 | 約95万円〜 |
| 中古平均価格 | 約70〜90万円 |
| 平均燃費(実測) | 約26.7km/L |
| カタログ燃費 | 34.0km/L(定地) |
| タンク容量 | 20L |
| 排気量 | 645cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 70PS |
V-Strom 650はスズキの定番アドベンチャーツアラー。645cc並列2気筒は扱いやすさと耐久性に定評があり、実測燃費は約26.7km/Lと大型アドベンチャーの中でもトップクラス。タンク容量20Lと相まって、航続距離は500km近くに達するケースもあり、ロングツーリング派から絶大な支持を集めています。
6位:ヤマハ MT-07

| バイク名 | ヤマハ MT-07 |
|---|---|
| メーカー | ヤマハ |
| 新車販売価格 | 約80万円〜 |
| 中古平均価格 | 約65〜80万円 |
| 平均燃費(実測) | 約26.4km/L |
| カタログ燃費 | 40.0km/L(定地) |
| タンク容量 | 14L |
| 排気量 | 689cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 74PS |
MT-07は「軽量・シンプル・高燃費」の三拍子が揃った人気ネイキッド。689ccの並列2気筒は力強く、実測燃費は26.4km/L。カタログ値では40km/L(定地走行)という驚異的な数値を持ち、ツーリング用途では給油回数が少なく済むのも魅力です。
7位:スズキ SV650

| バイク名 | スズキ SV650 |
|---|---|
| メーカー | スズキ |
| 新車販売価格 | 約79万円〜 |
| 中古平均価格 | 約60〜75万円 |
| 平均燃費(実測) | 約25.7km/L |
| カタログ燃費 | 28.0km/L(定地) |
| タンク容量 | 14.5L |
| 排気量 | 645cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 72PS |
SV650は「Vツインの鼓動感」と「低燃費」を両立した定番ネイキッド。実測燃費は約25.7km/Lと非常に優秀。軽量な車体とシンプルな構造により、街乗りでもツーリングでも安定して20km/L後半をキープできる点が特徴です。
8位:ホンダ CB500X

| バイク名 | ホンダ CB500X |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 新車販売価格 | 約92万円〜 |
| 中古平均価格 | 約70〜85万円 |
| 平均燃費(実測) | 約25.0km/L |
| カタログ燃費 | 39.0km/L(WMTC) |
| タンク容量 | 17.5L |
| 排気量 | 471cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC並列2気筒 |
| 最高出力 | 47PS |
CB500Xはアドベンチャースタイルの万能ツーラー。471cc並列2気筒は実測で約25km/Lを記録し、WMTCモード燃費では39km/Lと公表されています。タンク容量が17Lと大きく、ロングツーリングでも給油の心配が少ないのが強みです。
9位:トライアンフ Street Twin

| バイク名 | トライアンフ Street Twin |
|---|---|
| メーカー | トライアンフ |
| 新車販売価格 | 約100万円〜 |
| 中古平均価格 | 約80〜110万円 |
| 平均燃費(実測) | 約24.7km/L |
| カタログ燃費 | 24.5km/L(WMTC) |
| タンク容量 | 14.5L |
| 排気量 | 900cc |
| エンジン形式 | 水冷並列2気筒 |
| 最高出力 | 64PS |
イギリスのクラシックブランド・トライアンフのStreet Twinは、900cc並列2気筒ながら実測燃費24.7km/Lを達成。クラシカルな見た目に反して燃費性能が高く、長距離ツーリングにも十分対応。WMTCモードでも24.5km/Lと、大型クラシックではトップクラスの効率性を誇ります。
10位:ホンダ CBR650R

| バイク名 | ホンダ CBR650R |
|---|---|
| メーカー | ホンダ |
| 新車販売価格 | 約113万円〜 |
| 中古平均価格 | 約90〜110万円 |
| 平均燃費(実測) | 約23.6km/L |
| カタログ燃費 | 28.0km/L(WMTC) |
| タンク容量 | 15.4L |
| 排気量 | 649cc |
| エンジン形式 | 水冷DOHC直列4気筒 |
| 最高出力 | 95PS |
CBR650Rは649cc直列4気筒を搭載したスポーツモデル。高回転域まで滑らかに回る4気筒らしい特性を持ちながら、実測燃費は23.6km/Lと優秀。リッターSSに近い性能を持ちつつ、経済性も兼ね備えた万能スポーツツアラーとして人気があります。
まとめ
「大型=燃費が悪い」という常識は、すでに過去のもの。
- トップはヤマハXSR700(約30km/L)
- ツーリング特化ならNC750X(約29.5km/L)
- アドベンチャー派にはV-Strom 650(約26.7km/L)
- クラシック好きならStreet Twin(約24.7km/L)
燃費性能に優れる大型バイクは、維持費を抑えながら長距離ツーリングを楽しみたいライダーにとって最強の味方です。














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