Honda CRM50は、90年代を代表する原付2ストオフロードモデルです。50ccながら中型オフ車さながらのスタイルと高回転2ストエンジンを搭載し、「原付オフロード最強クラス」と称されたバイクです。結論として「林道遊びを原付で手軽に楽しみたい人」や「2ストのパンチ力を体感したい人」に最適な一台。ただし生産終了から年月が経ち、中古市場での流通量が少なく整備も前提のため、購入には覚悟が必要です。
【この記事でわかること】
- Honda CRM50の基本的な特徴と立ち位置
- どんな人におすすめか／後悔するポイント
- 壊れやすい部位や注意点
- カスタム・パーツ事情
- ライバルモデル（KDX50・TS50・DT50など）との比較
- 中古市場での価格帯と選び方
このバイクがオススメな人
| ユーザー像 | 主な利用シーン | 重視ポイント | 満足度の傾向 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 原付で林道・ダートを楽しみたい人 | プチ林道散策／河川敷ダート | 軽さ・トラクション・扱いやすさ | 非常に高い（◎） | 公道実用は割り切りが必要 |
| 2ストのパンチ力を体感したい入門者 | 近場のワインディング／練習走行 | 高回転フィーリング・レスポンス | 高い（○） | 暖機・混合気管理など基礎が必要 |
| 中型オフ車へのステップを考える人 | クラッチ＆姿勢づくりの基礎練 | 車体コントロール・フォーム習得 | 高い（○） | 原付一種の道路規制に留意 |
| 旧車を手間をかけて維持したい人 | レストア／週末ガレージワーク | 希少性・オリジナル度・所有感 | 高い（○） | 部品調達と整備時間を確保 |
CRM50は「原付でも林道や未舗装路を楽しみたい人」に特におすすめです。高回転2ストエンジンと軽量フレームにより、舗装路でも軽快に走れる一方、林道やダートでは扱いやすいパワー感を発揮します。中型オフ車の入門機としても最適で、クラッチ操作や車体コントロールの基礎を学ぶことが可能。また、希少性が高くコレクション価値もあり、オフ車好きや旧車ファンにとっては所有欲を満たしてくれる一台です。
このバイクで後悔するポイント
| 項目 | 内容 | 影響度 | 回避策 | 許容できる人の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 入手性の低さ | 玉数が少なく良質個体は高値傾向 | 高（▲▲▲） | 専門店で探す／時間をかけて選定 | 妥協せず状態重視で待てる人 |
| 部品供給の難しさ | 純正欠品があり納期が読みにくい | 高（▲▲▲） | 互換・流用・海外通販を活用 | 調達の手間を楽しめる人 |
| 実用性の低さ | 積載ほぼゼロ・高速不可・30km/h制限 | 中（▲▲） | バッグ追加・下道主体の運用 | 趣味優先で使い分けできる人 |
| 整備の手間 | 2スト特有の消耗とセッティング | 中（▲▲） | 定期点検・良質2Tオイル・予防整備 | 工具と基礎整備に抵抗がない人 |
後悔しやすい点は「維持の難しさ」と「実用性の低さ」です。すでに生産終了から長い年月が経っているため、中古車の多くは整備前提。純正パーツの入手は困難で、代替品や流用に頼るケースも少なくありません。また、積載性はほぼゼロで、街乗りや買い物には不向き。さらに原付一種の制限（30km/h・二段階右折）もあるため、快適な移動手段というより「趣味の相棒」としての割り切りが必要です。
このバイクの壊れやすさ
| 部位 | 症状の例 | 頻度感 | 予防・対策 | 費用目安 |
|---|---|---|---|---|
| トップエンド（ピストン／リング） | 圧縮低下・始動性悪化・出力低下 | 時々 | 適正サイクルでOH・暖機徹底 | 部品数千円＋工賃 |
| キャブレター | 息継ぎ・吹け不良・かぶり | 時々 | ジェット清掃・フロート点検・燃料管理 | 清掃3,000〜8,000円 |
| 電装（ハーネス／端子） | 接触不良・ライト点滅不安定 | 時々 | 導通確認・防水グリス・端子防錆 | 点検3,000〜8,000円 |
| 足回り（リンク・ベアリング） | ガタ・異音・摺動不良 | 時々 | グリスアップ・ダストシール交換 | 数千円〜 |
CRM50は高回転を多用する2ストロークエンジン搭載のため、ピストンやリングの摩耗は早く、オーバーホールが必須です。林道使用が多いと足回りやサスペンションのヘタリも出やすく、ハードに使われた車体ではステムやホイールのガタにも注意が必要。また、長期放置車両ではキャブレター詰まりやゴム類の劣化が目立ちます。きちんと整備すればタフに走れる一方、放置車両を掴むと出費がかさむ傾向があります。
カスタムパーツの豊富さ
| カテゴリ | 代表ブランド／製品例 | 狙える効果 | 難易度・工賃目安 | 備考（適法性など） |
|---|---|---|---|---|
| チャンバー（2スト用マフラー） | 当時物／社外レーシング | 高回転の伸び・軽量化 | 中／8,000〜15,000円 | 音量・排ガス基準に留意 |
| ビッグボア／キャブ | 65–80ccキット・大径キャブ | 登坂力・トルク向上 | 中〜高／15,000〜30,000円 | 登録区分・保安基準の確認必須 |
| サスペンション | 可調整リアショック・強化スプリング | ギャップ吸収・接地感向上 | 中／10,000〜20,000円 | 用途（林道／ロード）でセッティング |
| ブレーキ周り | 高性能パッド・ステンメッシュ | 制動力・タッチ改善 | 中／8,000〜12,000円 | エア抜き・締付トルク厳守 |
| 実用・電装 | ハンドガード・USB電源・キャリア | 防護・利便性・積載性UP | 低〜中／4,000〜10,000円 | 防水処理・耐荷重順守 |
CRM50専用の新品パーツは少ないですが、当時は人気モデルであったため、チャンバーやビッグボアキット、強化サスなどのレース・林道向けパーツは一定数流通しています。また、CRM80との共通部品もあり、流用による強化も可能。近年では中古パーツやオークション、海外通販に頼るケースが増えており、カスタムや整備は「探す楽しみ」とセットで考える必要があります。
ライバルバイクとの比較
| 項目 | Honda CRM50 | Kawasaki KDX50 | Suzuki TS50 | Yamaha DT50 |
|---|---|---|---|---|
| キャラクター | 原付2スト本格オフ | 扱いやすい林道志向 | タフ＆ベーシック | ロード寄り万能 |
| 軽快さ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| 登坂・ダート適性 | ◎ | ◎ | ○ | △〜○ |
| 部品入手性 | △ | △ | ○ | ○ |
| 実用性（積載・快適） | △ | △ | △〜○ | ○ |
| 希少性・コレクション性 | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
ライバルはKawasaki KDX50、Suzuki TS50、Yamaha DT50など。KDX50は同じく林道志向で扱いやすさが特徴。TS50は耐久性に優れ、DT50はロード寄りの使い方も可能。CRM50は「パワフルな2スト特性」と「オフロード本格志向」のバランスが強みで、当時の50ccオフ車の中でも特にスポーティなキャラクターを持っています。
みんなの口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 「2ストの伸びが気持ちよく林道が楽しい」 | 「部品が手に入りづらく維持が大変」 |
| 「軽いから転んでも起こしやすい」 | 「積載ゼロで街乗りは不便」 |
| 「入門に最適で操作が上達する」 | 「原付規制で使いどころが難しい」 |
| 「希少で所有満足が高い」 | 「中古相場が上がりすぎ」 |
ポジティブな口コミとしては「2ストの加速が楽しい」「林道遊びに最適」「見た目が中型オフ車っぽくてカッコいい」「操作練習にちょうど良い」といった声が多いです。一方でネガティブな声としては「部品が手に入らない」「整備必須で維持が大変」「街乗り実用は皆無」「中古価格が高騰している」といった意見が目立ちます。総合的には「趣味・林道用として最高だが、実用性を期待すると後悔する」という評価に落ち着きます。
このバイクの評価
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| デザイン | ★★★★☆ | 中型オフ車風の精悍なスタイル |
| 燃費 | ★★★☆☆ | 2ストらしく30〜40km/L前後 |
| 走行性能 | ★★★★☆ | 林道で真価。オンも軽快で楽しい |
| 快適性 | ★★☆☆☆ | 防風・積載に弱く短距離向け |
| コスパ | ★★★☆☆ | 希少性は高いが維持手間は大 |
デザインは中型オフ車を凝縮した迫力があり高評価。燃費は2ストらしく30〜40km/L前後。走行性能は林道やダートで特に真価を発揮し、オンロードでも軽快。快適性や積載性は低く、街乗りには不便。コスパは希少性と趣味性を考慮すれば高評価ですが、実用性を求める人には割高感があります。
中古市場の動向
| 状態 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| 低走行・フルノーマル | 35〜45万円 | 超希少。外装完品・記録簿はプレミア |
| 一般的な中古（整備履歴あり） | 28〜36万円 | 即戦力。OH歴・消耗品交換歴が鍵 |
| 要整備・レストアベース | 20〜28万円 | 安価だがキャブ・圧縮・足回り要チェック |
| カスタム多数・外装欠品 | 22〜35万円 | 純正戻し可否で将来価値が大きく変動 |
中古市場では玉数が少なく希少。価格帯は20〜40万円程度が多く、状態やカスタム内容によって幅広く変動します。フルノーマルで外装が揃った個体はプレミア価格になる傾向。安価な個体はレストア費用を前提に考える必要があります。購入する際は整備履歴・消耗品の状態・部品供給ルートをしっかり確認することが大切です。
まとめ：このバイクが合う人・後悔しない選び方
Honda CRM50は、「原付でも本格オフロードを楽しみたい人」や「2ストサウンドと林道遊びを味わいたい人」に最適な一台です。維持や整備には手間がかかり、実用性は皆無ですが、趣味として所有するなら満足度は非常に高いモデル。中型オフ車の練習機、コレクション、林道専用機として考えるなら、後悔の少ない選択肢になるでしょう。
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