Honda CBR1000RR-Rは、ホンダのフラッグシップスーパースポーツモデルであり、MotoGPマシンRC213Vの技術を市販車にフィードバックした究極のリッタースポーツです。サーキット走行を念頭に開発され、最高峰のパワー、電子制御、エアロダイナミクスを備えています。そのため、街乗りやツーリングよりも、スポーツライディングやレース志向のライダーに向けられた一台です。本記事では、CBR1000RR-Rのスペックやオススメな人、後悔しやすいポイント、評判・評価をまとめてご紹介します。
CBR1000RR-Rのスペック
| 項目 | CBR1000RR-R(目安) |
|---|---|
| 実測燃費(参考) | 14〜18 km/L |
| カタログ燃費(WMTC等) | 約16〜17 km/L |
| 排気量 | 999 cc |
| エンジン形式 | 水冷 直列4気筒 DOHC 16バルブ |
| 最高出力 | 約218 PS / 14,500 rpm |
| 最大トルク | 約113 Nm / 12,500 rpm |
| トランスミッション | 6速(電子制御スロットル) |
| 装備重量 | 約201 kg |
| シート高 | 約830 mm |
| ブレーキ | F:ダブルディスク / R:シングル |
| 電子制御 | IMU、パワーモード、TCS、ウィリー制御、EB、ABS、QS |
| 空力 | ウイングレット(エアロダウンフォース) |
| タイヤ(F/R) | 120/70ZR17・200/55ZR17(年式により) |
| 新車価格(目安) | 約250〜300万円 |
| 中古相場(目安) | 約200〜280万円 |
CBR1000RR-Rは、999cc水冷直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力は218PSを発揮します。最高回転数は14,500rpmに達し、レーシングマシンさながらの吹け上がりを実現しています。エアロパーツやウィングレットを備え、高速域での安定性も抜群です。電子制御はIMUを活用したトラクションコントロール、ウィリーコントロール、ABS、エンジンブレーキ制御など、最新のフルパッケージが揃っています。装備重量は約201kgと軽量で、スーパースポーツとして世界最高水準のスペックです。
オススメな人
| こんな人にオススメ | 理由 |
|---|---|
| サーキット走行を本格的に楽しみたい人 | 車体・電子制御・空力がラップタイム短縮に直結する設計だからです。 |
| 最新制御で速く安全に走りたい人 | IMU連動のTCS/ABS/EBが高次元で作動し、攻めても破綻しにくい評価です。 |
| リッターSSの刺激と所有満足を求める人 | 造形・質感・存在感の評判が高く、所有欲を強く満たします。 |
| セットアップを楽しめる人 | 電子制御やサスのパラメータ調整幅が広く、煮詰めがいがあるためです。 |
CBR1000RR-Rは、「サーキットで本気のスポーツ走行を楽しみたい人」に最適です。レーシングマシンに迫るフィーリングを合法的に公道でも体験できる点が大きな魅力です。スーパースポーツを乗り継いできた経験者や、レース参戦を視野に入れているライダーに高評価を受けています。街乗り用途だけではポテンシャルを活かしきれないため、ツーリング派というよりも「速さを極めたい」「操る楽しみを追求したい」という人にこそオススメです。
後悔するポイント
| 後悔ポイント | 具体例/回避策 |
|---|---|
| 街乗りの扱いづらさ | 低速のギクシャク・発熱・前傾姿勢が負担。スプロケ比・クラッチ操作・モード切替で緩和。 |
| 前傾が強く疲れやすい | 長距離で手首・首・腰に負担。ハンドル高調整・ゲルシート・休憩頻度の最適化で対策。 |
| 維持費が高い | ハイグリップタイヤ・ブレーキ・オイルなど消耗が早い。用途に応じたコンパウンド選択でコスト管理。 |
| 価格が高い | 購入費・保険・アクセサリーが重い。中古の上玉狙い・必要装備の優先順位付けで後悔回避。 |
CBR1000RR-Rを選んで後悔する人の多くは、その「過激さ」に原因があります。まず、低速域での扱いやすさは他のリッターバイクに比べても厳しく、街乗りではギクシャク感が目立ちます。また、ポジションが前傾でハードなため、長距離ツーリングでは身体的負担が大きいとの口コミも多いです。さらに、価格帯が新車で250万円を超えるケースがあり、維持費やタイヤ・ブレーキの消耗コストも高額です。「見た目に惹かれて買ったが、使い方に合わず後悔した」という声も散見されます。
壊れやすさ
| 部位/項目 | 傾向 | メンテのコツ |
|---|---|---|
| エンジン・冷却 | 高回転型だが基本は高耐久 | サーキット頻度に合わせオイル粘度/交換間隔を短縮。 |
| 電子制御/センサー | 精密で設定項目が多い | 診断ツール活用・防水/配線チェック・最新ファーム適用。 |
| ブレーキ/タイヤ | 消耗が非常に早い | パッド残量/熱ダレ管理・空気圧と温度をロギング。 |
| 駆動系 | 高出力ゆえ摩耗進行が早い | チェーン清掃/給油サイクル短縮・サーキット後点検を徹底。 |
CBR1000RR-Rは、エンジンや電子制御の耐久性自体は高く、基本的に壊れやすいといった評判は少ないです。ただし、サーキット走行を多用するとエンジンオイルやブレーキ、タイヤの消耗が極端に早くなる傾向があります。電子制御ユニットやセンサー系は精密なため、転倒や不適切な扱いが故障につながることもあります。信頼性はホンダらしく高いですが、定期的なメンテナンスと消耗品の管理は必須です。
カスタムパーツ
| カテゴリ | 代表例 | 効果 |
|---|---|---|
| 排気系 | スリップオン/フルエキ | 軽量化・レスポンス/音質向上(保安基準に注意)。 |
| コントロール | バックステップ/可倒式レバー | ポジション最適化・操作精度アップ。 |
| 足まわり | スプリング変更/セッティングキット | 路面追従性・安定性向上、タイム短縮に寄与。 |
| ブレーキ | 高摩擦パッド/ステンメッシュ | 初期制動とコントロール性を改善。 |
| 快適/実用 | スクリーン/シート/ETC | 前傾負担の軽減、公道での利便向上。 |
CBR1000RR-Rは世界的に人気のため、カスタムパーツも非常に豊富です。マフラー交換によるサウンドと軽量化、バックステップやレバーでの操作性向上、サスペンションセッティングでの乗り味改善が定番です。さらに、カーボンパーツやレーシングカウルなど、サーキット仕様に特化したカスタムも可能です。公道派ライダーには、ETCやスクリーン、シートカスタムで快適性を補う選択もあります。
ライバル比較
| 項目 | CBR1000RR-R | YZF-R1 | ZX-10R | GSX-R1000R | Panigale V4S |
|---|---|---|---|---|---|
| キャラクター | サーキット志向 | 官能的CP4 | レース由来の戦闘力 | 実用/価格バランス | 官能/電子豪華 |
| 出力イメージ | 約218 PS | 約200 PS | 約203 PS | 約202 PS | 約215+ PS |
| 装備重量(目安) | 約201 kg | 約201 kg | 約206 kg | 約203 kg | 約195〜198 kg |
| 電子制御 | IMU+多段制御 | IMU+熟成制御 | IMU+レース寄り | IMU+十分 | IMU+豪華機能 |
| 価格感(新車) | 高い | 高い | 中〜高 | 中 | 非常に高い |
| 公道適性 | △ | △ | △〜◯ | ◯ | △ |
ライバルとしては、Yamaha YZF-R1、Kawasaki ZX-10R、Suzuki GSX-R1000R、Ducati Panigale V4Sなどが挙げられます。R1はクロスプレーンエンジンによる独特のフィーリングで人気、ZX-10Rはスーパーバイク世界選手権で培った戦闘力、GSX-R1000Rは価格と実用性のバランス、Panigale V4Sは官能的なサウンドとデザインが特徴です。CBR1000RR-Rは「サーキットスペック最優先」の仕上がりで、純粋なレーサー志向のライダーから高い評価を得ています。
口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 「高回転の伸びが圧巻」 「電子制御が緻密で攻めやすい」 「空力が効いて高速安定」 | 「街乗りは前傾がキツい」 「発熱と低速のギクシャク」 「維持費が高い」 |
良い口コミには「サーキットでのポテンシャルが圧倒的」「エンジンの伸びが凄まじい」「最新電子制御で安心して攻められる」といった声が目立ちます。一方で、悪い口コミには「街乗りだと持て余す」「前傾がキツくて長距離は厳しい」「維持費が高い」といった意見があります。つまり、使い方や環境によって評価が極端に変わるバイクです。
評価
| 評価項目 | 星 | コメント |
|---|---|---|
| サーキット性能 | ★★★★★ | 車体/空力/電子制御がトップレンジです。 |
| 街乗り快適性 | ★★★☆☆ | 前傾強め。セットアップである程度緩和可能です。 |
| コスパ | ★★★☆☆ | 価格は高いが性能は極めて高水準。 |
| 信頼性/耐久性 | ★★★★☆ | 整備前提で安心。消耗は速いです。 |
| 総合評価 | ★★★★☆ | 用途が合えば後悔の少ない最上級の1台です。 |
総合評価は「★★★★★」と高評価で、サーキットユースでは間違いなく最高峰の1台とされています。ただし、公道メインの使い方では「★★★★☆」程度に落ち着く傾向があります。性能と存在感は文句なしですが、自分のライディングスタイルに合っているかを見極めることが大切です。
中古市場
| 年式帯 | 価格目安 | 狙い目ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 2020〜2021 | 約200〜240万円 | 初期型だが装備は十分 | サーキット使用歴・転倒歴・整備記録を必ず確認。 |
| 2022〜2024 | 約230〜280万円 | 細部熟成・上玉が多い | 人気色・低走行は高値傾向。 |
| SP/限定 | 個別見積 | 装備豪華・リセール期待 | プレミア価格に注意。試乗で適合確認。 |
CBR1000RR-Rは新しいモデルであり、中古市場でも高値が続いています。2020年以降の初期モデルであっても200万円前後、新しめの低走行車両では新車同様の価格で販売されています。プレミア感もあるため、リセールバリューは高い傾向にあります。ただし、サーキット使用歴のある個体はメンテ状況次第でリスクも伴うため、購入時にはしっかり確認しましょう。
まとめ
Honda CBR1000RR-Rは、「市販レーサー」と呼ぶにふさわしい究極のスーパースポーツです。サーキットで本領を発揮し、性能を存分に引き出せるライダーにとっては一生モノの相棒となり得ます。一方で、公道中心や初心者にはオーバースペックすぎて後悔につながる可能性があります。購入を検討する際は、自分が「どこで・どう乗るのか」を明確にして選ぶことが重要です。用途に合えば、最高の評価を得られるスーパースポーツといえるでしょう。




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