ロイヤルアロイ(Royal Alloy)という英国発のクラシックスクーターブランドが、ついに本格排気量モデル「TG300S」を日本でも展開しています。
クラシックな見た目と現代的要素の融合が話題ですが、購入後に「思っていたのと違った…」と後悔しないためにも、評判・評価・強み・弱みをこの1記事でまとめます。
スクーターという枠を超えた“乗る喜び”を追求する方にとって、TG300Sは選択肢として魅力的ですが、落とし穴もありますので要チェックです。
ロイヤルアロイ TG300S のスペック
| 項目 | 数値・内容 |
|---|---|
| 実測燃費 | — km/L(使用環境で大きく変動) |
| カタログ燃費 | — km/L(公表値未確認) |
| 排気量 | 278 cc |
| エンジン形式 | 水冷単気筒 SOHC 4バルブ(EFI) |
| 最高出力 | 18.5 kW(約25.2 PS)/ 7,250 rpm |
| 最大トルク | 23.0 N・m / 5,000 rpm |
| 装備重量 | 約 152 kg |
| シート高 | 約 770 mm |
| 燃料タンク容量 | 約 10.5 L |
| 新車価格 | 約 940,000 円(モノトーン、税込) |
| 2トーン加算 | +33,000 円目安 |
| 主要寸法 | 全長 1,845 mm × 全幅 670 mm × 全高 1,115 mm |
| ブレーキ/ABS | 前後ディスク(約220mm)/ ABS |
ロイヤルアロイ TG300S は、278cc 水冷単気筒 SOHC 4バルブエンジンを搭載したクラシックスタイルのスクーターです。最大出力は約25PS/7,250rpm、最大トルクは23N・m/5,000rpmと街乗りから郊外ツーリングまでこなせる性能を持っています。
車重は約152kg、シート高は770mm。前後220mmディスク+ABSを標準装備し、安全性もしっかり確保。燃料タンク容量は10.5Lで、日常使いに十分な航続距離を実現します。
寸法は全長1,845mm、全幅670mm、全高1,115mmとコンパクトで街中でも取り回しやすいサイズ感。価格はモノトーン仕様で税込94万円、2トーン仕様は+3.3万円となっています。クラシカルなデザインと希少性が魅力の一台です。
オススメな人
| こんな人にオススメ |
|---|
| クラシックデザインと鉄ボディの質感を重視したい人 |
| 通勤+週末ツーリングを1台で楽しみたい人(中距離想定) |
| 人と被らない個性派スクーターを探している人 |
| 部品調達や軽いDIY整備に前向きな人 |
| 車重や足つきに過度な不安がない人 |
- クラシック・レトロ感を重視したい人:鉄製のボディや細部の意匠にこだわりがあり、見た目で満足感を得たい方には非常に魅力的なモデルです。
- 通勤+ちょっとツーリングを楽しみたい人:278ccクラスなので市街地から郊外までの移動をカバーでき、クルージング性能も見込めます。
- 人と被りにくい一台を求める人:メジャーブランドの大型スクーターやネイキッドとは異なる個性が際立ちます。
- パーツ交換・メンテナンスに対して自己調達意欲がある人:輸入車ゆえに専用品・流通性の課題があるため、DIYや部品探しに抵抗がないと強みになります。
- 重さや足つきに不安がない人:152kgと比較的重量があり、取り回しや足つきに不慣れな人には若干の負荷となるかもしれません。
このようなタイプにマッチすれば、後悔を最小限に抑えられる選択肢となるでしょう。
後悔するポイント
| 後悔ポイント | 内容 |
|---|---|
| 取り回しの重さ | 約152kgで低速・駐車時に負担を感じやすい |
| 足つき性 | シート高約770mmで小柄な方は不安が残る可能性 |
| 燃費の不確実性 | 公表・実測データが少なく期待値との差が出やすい |
| 部品入手性 | 輸入車のため国内在庫や納期が読みにくい |
| 高速余裕 | 2人乗り・積載時は加速/登坂で余裕が薄まることあり |
| リセール | 中古流通が少なく相場が安定しにくい |
- 車両重量と取り回し:152 kg という数字はスクーターとしてはずっしり感があり、低速や駐車時の取り回しで疲れを感じるかもしれません。
- 足つき性:シート高 770 mm は中・大型スクーター並。身長が低めのライダーには足が不安定になる可能性あり。
- 燃費の不確定性:カタログ燃費・実測燃費の公表例が少ないため、思ったほどの燃費性能が得られず「◯◯ km/Lと思ったのに…」という後悔が出るかもしれません。
- 部品入手性・維持コスト:輸入車ゆえに消耗部品・補修部品が国内で揃いにくく、価格が高めになる可能性があります。
- 高速・長距離の余裕:278ccでは高速巡航余裕はあるものの、2人乗りや荷物積載時には余裕が薄くなることも想定されます。
- リセール・中古価値の読みにくさ:日本国内での展開が浅いため、市場での流動性・評価が定まっていないため、中古売却時の価格下落リスクがあります。
これらの要素が「後悔するポイント」になり得るため、購入前に自分の用途や使い方とのマッチ度を慎重に検討することが重要です。
壊れやすさ
| 症状 | 想定原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 電装・センサー不調 | EFI/センサー初期不良・接点不良 | 納車点検の強化、保証期間内の早期診断、予備センサー確保 |
| サスのガタ/異音 | 調整機構の緩み・経年摩耗 | 定期増し締め、早期のブッシュ/ショック交換 |
| 錆・腐食 | 鉄ボディの水分・塩害暴露 | 防錆コート、屋根下保管、雨後の拭き上げ徹底 |
| Vベルト/クラッチ摩耗 | スクーター特有の消耗 | 走行距離に応じた予防交換、異音/滑りの早期点検 |
| ABS関連トラブル | 油圧/ユニット異常 | 定期フルード交換、診断機によるチェック |
- 電装・ECU系トラブル:EFI やセンサー系は輸入品依存度が高く、初期不良や信号系の誤作動が起きやすい可能性があります。
→ 対策:納車時チェック、保証期間内の早期点検、予備センサーのストック。 - サスペンション・ショックのガタ:プリロード調整式リアショックなどを採用している反面、調整機構やアッパーマウント部にゆるみや交換・摩耗リスク。
- 錆び・腐食:鉄製フルメタルボディという特性上、雨や塩害環境にさらされやすく、錆び対策を怠ると見た目・構造劣化のリスク。
→ 対策:こまめな洗車・防錆処理(ワックス・コーティング)、屋根下保管。 - クラッチ・Vベルト系摩耗:スクーター設計としての宿命。使用頻度に応じた定期交換が不可欠。
- ABS・ブレーキ系故障:ABSユニットや油圧ラインに異常が出ると制動性能に直結するため、定期メンテと診断が必要。
“壊れやすさ”の判断は使用頻度・環境・整備体制依存が大きいため、普段からの点検習慣を持つことが後悔回避につながります。
カスタムパーツ
TG300S は比較的新しいモデル&輸入車ゆえ、カスタム領域には未成熟な部分があります。ただし、既存のクラシックスクーター流用パーツや社外品が一定程度応用可能です。以下は想定されるカスタム方向と例です:
| 目的 | カスタム例 |
|---|---|
| 快適性向上 | シート交換(低反発・ジェルタイプ)/ハンドル位置調整バー/グリップヒーター |
| 足回り強化 | リアサスペンション強化品/ステアリングダンパー |
| 制動強化 | ブレーキパッド・ローターグレードアップ/スチールメッシュホース |
| 外装アクセント | LEDウインカー/クラシカルミラー/サイドカバー塗装 |
| 積載拡張 | リアキャリア・トップボックス/サイドバッグステー |
| 電装強化 | USB電源ポート・DRL(デイライト)増設・ヘッドライト強化バルブ |
ただし、互換性・取り付け強度・バランス調整には注意が必要で、過度なカスタムが本来の特性を損なうリスクがあります。
ライバル比較
以下は、TG300S を検討するときに比較対象となりそうな車種との対比例です。
| 項目\車種 | ロイヤルアロイ TG300S | ホンダ PCX 160 | ヤマハ XMAX 300 | ベスパ GTS 300 |
|---|---|---|---|---|
| 価格帯 | 約 94 万円(モノ) | 約 45〜55 万円 | 約 80〜90 万円 | 約 70〜90 万円 |
| 排気量・動力 | 278cc 水冷単気筒 | 156cc | 292cc | 278cc |
| 出力・トルク | 25.2 PS/23 N·m | 約 14〜15 PS | 約 29〜31 PS | 約 22〜24 PS |
| 車体重量 | 152 kg | 約 130 kg 前後 | 約 190 kg 前後 | 約 165 kg 前後 |
| 足つき性 | シート高 770 mm | 約 760 mm | 約 795 mm | 約 790 mm |
| 装備(水準) | クラシカル重視 | 近代派装備(トラクション制御等) | 多機能(ABS、TCS 等) | ブランド・質感重視 |
| 維持・部品 | 輸入車の部品調達リスク | 国内整備網充実 | 大型スクーター整備網有 | 輸入ブランド部品手配がキー |
| 個性・スタイル | 強いクラシックアイデンティティ | 抜群の実用性 | デザインと実用性のバランス | クラシカルブランド力が強み |
この比較を見ると、TG300S は「見た目・個性重視派」に強い訴求力を持つ反面、実用性・維持性面ではライバルに譲る面も見えてきます。
口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 鉄ボディの質感とクラシック感が圧倒的で所有満足度が高い。 | 車重があるため取り回しとUターンで気を使う。 |
| 278ccの余裕で郊外クルージングが楽。 | 国内での部品入手に時間がかかることがある。 |
| 人と被らず目立つのでイベントでも注目される。 | 燃費が想像より伸びないケースがある。 |
良い口コミ
- 「クラシックな佇まいが一目で気に入った」
- 「250ccクラスよりも余裕があり、街乗り+郊外までの巡航が安心」
- 「鉄ボディの質感・重量感が高級感を演出してくれて所有欲が満たされる」
悪い口コミ
- 「低速域での重さを感じる…発進時にモタつくことがある」
- 「部品の入手性が不安。とくにスクーター専用部品が手に入りにくい」
- 「燃費が思ったほど良くない」
これらの口コミからは、「見た目・感性重視で満足しやすい」「実用性・維持性でつまずく可能性あり」という評価傾向が浮かび上がります。
評価
以下は筆者による評価(5段階、全角星で表記)です。実際の使い勝手・個人好みによって加減してください。
| 項目 | 評価 | ひと言 |
|---|---|---|
| デザイン | ★★★★★ | 圧倒的なクラシック美と質感が最大の魅力 |
| 快適性 | ★★★★☆ | 街乗りは快適、長距離は人により好み分かれるか |
| 走り | ★★★★☆ | 278ccという余裕が魅力。ただし重さ対策次第で印象変わる |
| 積載 | ★★★☆☆ | キャリア等で拡張可能だが、標準状態では控えめ |
| 維持費 | ★★★☆☆ | 部品調達・輸入性を含めると中庸〜やや高めになる可能性 |
| 総合 | ★★★★☆ | 強い個性ゆえの魅力と懸念が混在。趣味用途なら大きな満足感を得られる可能性大 |
評価としては「クラシック志向で許容できる人には非常に高い満足を提供し得る。ただし維持性・実用性を重視する人には注意が必要」となります。
中古市場
| 年式帯/状態 | 相場目安 | 注意点 | 狙い目 |
|---|---|---|---|
| 登録後〜低走行 | 新車価格に近いレンジ | 外装キズ/錆、初期不良の対応履歴 | 保証付・点検記録あり個体 |
| 数年落ち/中走行 | やや下落〜安定 | Vベルト/ブレーキ/電装の整備履歴 | 消耗品交換済み・屋内保管歴 |
| 希少仕様(2トーン/サイドカー等) | プレミア/ばらつき大 | 修復歴・適正取付・構造変更の可否 | 純正度が高く記録完備の個体 |
TG300S は日本での展開が始まったばかりで、中古流通は非常に限られています。
そのため、中古市場の相場観・流動性は不明瞭で、購入・売却時の価格差リスクが伴います。
年式新しい個体が中心となるため、走行距離・整備履歴・外観状態で価格の差が出やすいです。
特に錆やボディ傷、補修歴の有無に敏感な市場になる可能性があります。
サイドカー仕様はさらに限定流通となる見込みで、希少性ゆえに価格が跳ねる可能性もある一方、買手を見つけにくいリスクもあります。
中古購入を検討する場合は、写真・点検・保証付きショップの利用を強く推奨します。
まとめ
ロイヤルアロイ TG300S は、鉄製フルメタルボディとクラシックスタイルを現代の技術と組み合わせた、非常に魅力的なスクーターです。
ただし、取り回し・足つき・燃費・部品入手性など、購入後に「こうなると後悔する」リスクも抱えています。
後悔回避策としては、必ず試乗して重量感・操作性を体感すること、維持用品(オイル・補修部品等)の流通性を事前に調べておくこと、長期保有前提なら予備部品をストックしておくことなどが有効です。
特に日常使いと趣味使いの割合、メンテナンス許容度を自分で見極めておけば、TG300S はあなたにとって後悔しない選択肢になり得るでしょう。




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