これまでEOS、Lumix、αシリーズなど様々なミラーレスを使ってきましたが、正直「もう一歩、自分に合ったカメラが欲しい」と思っていたタイミングで購入したのがこのFujifilm X‑S10です。フジ機は初めてでしたが、コンパクトなサイズに手ブレ補正、上位機種譲りのセンサー、そしてあの「フィルムシミュレーション」が詰まっているということで、興味本位で手に取りました。
今回は旅行やVlog、スナップ撮影など幅広いシーンで実際に使用した上での、“リアルな使用感”と“初心者にとっての気になるポイント”を中心にレビューします。
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Fujifilm X‑S10の優れているポイント
驚異的な手ブレ補正（IBIS内蔵）
最大6段分の5軸手ブレ補正を搭載。これは実際に使ってみて本当に驚きました。夜景撮影や室内での撮影でもシャッタースピードを落として撮れるため、手持ちでもかなりブレずに撮影できます。三脚を使わなくても動画が安定するので、旅行やVlog用途でも非常に重宝します。
圧巻の画質と色再現
X‑S10はX-Trans CMOS 4センサーと画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載しており、解像感が高く、発色も鮮やか。フジフィルムならではの「フィルムシミュレーション」が使えるのも魅力で、「Velvia」「Classic Chrome」「Pro Neg」などの色味がワンタッチで選べます。JPEG撮って出しでも満足できる画が出せるのは強みです。
握りやすいグリップと直感的な操作性
グリップが深くて大きいため、ホールド感はα6400やEOS R50よりも安定しています。また、モードダイヤルがPASＭ表記なのも初心者にはうれしいポイント。従来のフジ機と違って一般的な操作感覚に寄せているため、キヤノンやソニーからの乗り換えでも戸惑いません。
動画機としても高性能
動画は4K/30pで撮影可能、フルHDでは最大120fpsのスローモーション撮影もできます。F‑Log撮影、10bit外部出力、USB-C給電といった上位機種並みのスペックも魅力。実際に旅行中にVlogを回してみましたが、手ブレも少なく高画質で驚きました。
Fujifilm X‑S10の気になる点・弱点
オートフォーカスはやや心許ない
静止画撮影におけるAFは十分ですが、動きのある被写体に対する追従性はソニーやキヤノンの最新機種に一歩劣る印象です。特に子どもや動物、スポーツのような撮影では、被写体がフレームから一瞬外れると迷いやすい場面がありました。
バッテリーの持ちは平均以下
CIPA基準で約325枚。実際の使用でも、半日動画を回していると1本では足りません。写真撮影メインでも丸1日はやや不安なので、予備バッテリーは必須です。
防塵防滴がないのが惜しい
コンパクトな機種なので致し方ない部分もありますが、アウトドアや悪天候での使用には少々不安が残ります。登山や海辺での撮影を想定している方には、防塵防滴のあるX-T5などの選択肢も考えた方が良いかもしれません。
メニュー操作がやや複雑
タッチ操作やQメニューはあるものの、サブメニュー階層は少し深く、設定変更に手間取ることがありました。初心者が最初からすべての機能を使いこなすのは難しいかもしれません。
初心者が特に気になるポイントとリアルな感想
| 懸念点 | 実際に使ってどうだったか |
|---|---|
| 手ブレ補正の効果 | 夜景でも三脚なしで安定して撮影可能。動画でも滑らか。 |
| 初心者でも操作できる？ | PASMダイヤル採用で、従来のフジ機より断然扱いやすい。 |
| 背景ボケは作れる？ | APS‑Cセンサーで自然なボケ感あり。単焦点レンズとの相性も良い。 |
| スマホとどれほど違う？ | 特に色味・立体感が圧倒的。JPEG撮って出しでもスマホとは別物。 |
| レンズの選択肢は？ | XFレンズの質は高く、入門〜中級まで幅広く選べる。 |
X‑S10と比較されやすいカメラたち
Fujifilm X‑S10を購入する際、多くのユーザーが比較対象として検討するのが以下の3機種です。それぞれに強みと弱みがあるため、用途や重視したいポイントによって選び方が変わってきます。
| モデル名 | 比較される理由 |
|---|---|
| Canon EOS R50 | 価格が近く、初心者向けAF性能や操作性が高評価。コンパクトで軽量。 |
| Sony α6400 | APS-Cミラーレスの定番。AF性能が非常に優秀で動画にも強い。 |
| Nikon Z fc | レトロな外観と最新性能のバランスで人気。画質や操作性が近い。 |
X‑S10の比較対象としてよく挙げられるのは、EOS R50、α6400、Z fcの3機種です。特に価格帯が近く、初心者でも扱いやすいという共通点があり、どれを選ぶか迷う人が多い印象です。
EOS R50はAF性能と直感的な操作性が光る1台で、特に人物撮影やVlog用途に強みがあります。α6400はやや価格が高めですが、ソニーの圧倒的な瞳AFとレンズの豊富さでプロからも支持される存在。Z fcは見た目の魅力が抜群で、写真を楽しむ感覚を大切にしたい人に向いています。
X‑S10はこれらの中間を取ったようなバランス型。静止画も動画も高レベルでこなせる上、フジの色味に惹かれるかどうかが大きな決め手になるでしょう。
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結論：X‑S10は「初めての本格カメラ」にも最適な一台
Fujifilm X‑S10は、小型・高性能・高画質を兼ね備えたオールラウンダー。
初心者でも使いやすく、上達するにつれてさらに使いこなせる懐の深さがあります。
AF性能やバッテリー、耐候性といった弱点もありますが、それを補って余りある魅力を持った一台です。
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