OM-D E-M5 Mark IIIは、2019年に登場したマイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラです。私自身、E-M1シリーズやE-M10シリーズを触ってきましたが、このE-M5 Mark IIIは「軽量さと機能のバランス」が絶妙で、旅行や日常スナップに最適なカメラだと感じました。約414gという軽量ボディに強力な5軸手ブレ補正を搭載しており、夜景や手持ち動画でも安心感があります。さらに防塵防滴構造も備えているので、屋外での撮影にも強い。数日間の旅行で使いましたが、「これ一台あれば十分」と思わせてくれる安心感がありました。
特徴と第一印象
E-M5 Mark IIIの第一印象は「小さくても本格的」ということ。手に取ると軽量ながら質感が高く、操作ダイヤルも豊富で直感的に扱えます。バリアングル式の液晶は自撮りやVlogにも便利で、動画撮影時の自由度が高いのも好印象でした。また、2000万画素のLive MOSセンサーとTruePic VIIIエンジンにより、高精細で発色豊かな写真を実現。マイクロフォーサーズらしい携帯性と表現力のバランスが取れており、初めての本格カメラとしても安心しておすすめできます。
実際に使って良かった点

小型軽量で持ち運びやすい
本体重量は約414gと、フルサイズ機に比べて圧倒的に軽量。街歩きや旅行でも気軽に持ち出せ、バッグに入れても負担になりません。小型ながらグリップ形状がしっかりしているためホールド感も良く、長時間の撮影でも疲れにくいのが特徴です。
強力な5軸手ブレ補正
OM SYSTEMの代名詞ともいえる5軸ボディ内手ブレ補正は最大5.5段分の補正効果を持ち、夜景や望遠レンズを使った撮影でも手持ちで安心。実際に街の夜景を1/5秒程度で撮影してもブレず、ジンバルを使わずに動画撮影できるほどの安定感があります。
防塵防滴で安心して使える
小型機ながらしっかりとした防塵防滴仕様を備えている点は大きな魅力。突然の雨や海辺の砂埃でも安心して使え、登山やアウトドア撮影でも頼れる相棒です。
多彩な撮影モード
ライブコンポジットで光の軌跡を重ねたり、Pro Captureでシャッター前の瞬間を捉えたりと、他社にはないユニークな機能を標準搭載。花火や天体撮影など、遊び心のある撮影が楽しめ、初心者でも特別な写真を簡単に残せます。
高い動画性能
4K30p対応で、VlogやYouTube用途には十分な画質を確保。バリアングル液晶や外部マイク端子も搭載されており、軽量ボディで動画撮影を楽しみたい人に最適。ジンバルと組み合わせれば本格的な映像制作も可能です。
実際に使って気になった点

AF性能が最新機に劣る
E-M5 Mark IIIはコントラストAF方式を採用しており、動体追従や低照度でのAF精度はソニーやキャノンの像面位相差AFに劣ります。実際に子どもやペットを撮る場面ではピントを外すことがあり、動体撮影をメインに考える人には物足りなさを感じました。
動画性能の限界
4K撮影は可能ですが、60pには対応しておらず、スローモーション撮影やプロ志向の映像制作には少し物足りません。カラーグレーディングの自由度も限られ、本格映像クリエイターにとっては不足を感じるでしょう。
ファインダーの解像度
EVFは約236万ドットで必要十分ではあるものの、最新のハイエンド機が500万ドットクラスを搭載しているのに比べるとやや粗く感じます。長時間の使用では解像感不足を感じるユーザーもいるかもしれません。
バッテリー持ちの短さ
軽量化の代償としてバッテリー容量は控えめ。静止画なら300枚程度、動画ならさらに短く、旅行やイベント撮影では予備バッテリーが必須です。特に動画を多用するユーザーにはやや不便に感じます。
発売から時間が経過している
2019年発売モデルのため、最新のOM-5やOM-1と比べるとAFや処理速度で明確な差があります。価格はこなれてきていますが、性能面での古さは否めず「最新機を使いたい」という人には不向きかもしれません。
スペック表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2019年11月 |
| センサー | マイクロフォーサーズ Live MOS |
| 有効画素数 | 約2037万画素 |
| 連写性能 | 最高10コマ/秒(AF追従時) |
| 動画性能 | 4K30p対応 |
| 手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正(最大5.5段) |
| 重量 | 約414g(バッテリー込) |
| 価格 | 約12〜13万円(2025年時点・中古市場) |
E-M5 Mark IIIのスペックを見ると、小型軽量ながら手ブレ補正や防塵防滴性能をしっかり搭載している点が際立ちます。入門機のサイズ感でありながら、中級者以上も満足できる本格的な仕様を持ち合わせているのが大きな魅力です。
他機種との比較
| モデル | 画素数 | 重量 | 動画性能 | 特徴 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| OM-D E-M5 Mark III | 2037万画素 | 414g | 4K30p | 軽量・防塵防滴・携帯性重視 | 約12万円 |
| OM-D E-M1 Mark III | 2037万画素 | 580g | 4K60p | 上位モデルで高性能AF | 約18万円 |
| OM-D E-M10 Mark IV | 2037万画素 | 383g | 4K30p | エントリーモデルで安価 | 約8万円 |
| Fujifilm X-S10 | 2610万画素 | 465g | 4K30p | APS-Cで高画質、手ブレ補正搭載 | 約13万円 |
比較表を見ると、E-M5 Mark IIIは携帯性を重視したバランス型のモデルであることが分かります。上位のE-M1は性能面で優れる一方、重量や価格が増すため、旅行や日常用途なら軽量なE-M5 Mark IIIが適しています。
購入者の口コミ
| 良い口コミ | 悪い口コミ |
|---|---|
| 軽量で旅行に最適、防塵防滴で安心感がある | AFが最新機に比べるとやや遅い |
| 手ブレ補正が強力で夜景も手持ちで撮影できる | 4K60p非対応で動画性能が物足りない |
| 多彩な撮影モードが楽しく、創作意欲を刺激してくれる | バッテリー持ちが短く予備が必須 |
実際の口コミからは「旅行や街歩きに最適」「ユニークな撮影機能が楽しい」といった評価が多く見られます。一方でAF性能やバッテリー持ちに不満の声もあり、使用スタイルによって評価が分かれるのが特徴です。
総評
OM-D E-M5 Mark IIIは、小型軽量でありながら本格的な性能を備えた「万能旅行カメラ」として非常に魅力的です。5軸手ブレ補正や防塵防滴構造により、アウトドアや夜景でも安心して撮影可能。最新機種に比べるとAFや動画性能で物足りなさはありますが、価格がこなれてきた今、コストパフォーマンスは非常に高いです。初心者から中級者、さらにはサブ機を求める上級者まで幅広くおすすめできる一台です。



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