バイクのメンテナンスの中で、つい後回しにしがちな作業が「チェーン清掃」。
エンジンオイルの交換やタイヤの空気圧チェックに比べると、目立たない存在かもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
実はチェーンは、命を預ける“駆動系の要”。
定期的に手入れしないと、サビや摩耗が進み、最悪の場合、走行中にチェーンが切れて転倒事故という事態にもなりかねません。
この記事では、初心者の方でもすぐに理解できるように、
• チェーン清掃の正しい頻度
• サビや摩耗の原因
• 具体的な清掃方法
• 清掃と給油の手順
• 放置するとどうなるか
をわかりやすく解説していきます。
この記事でわかること
• バイクチェーン清掃の理想的な頻度
• 清掃を怠るとどうなるか
• チェーンの寿命を延ばすコツ
• 清掃・注油の具体的な手順
• チェーン清掃にまつわる雑学
結論:チェーン清掃は「500〜1,000kmごと」が目安
まず結論からお伝えすると、バイクチェーンの清掃は500〜1,000kmごとが理想的です。
もちろん、乗り方や路面状況によって前後しますが、以下のような基準で判断するのがおすすめです。
状況別:チェーン清掃の頻度目安
| 路面・用途 | 清掃の目安 |
|---|---|
| 通常の街乗り(舗装路中心) | 約1,000kmごと |
| 雨の日走行が多い | 約500kmごと |
| 長距離ツーリング後 | 帰宅後に即実施 |
| オフロード・ダート走行後 | 毎回必須 |
| チェーンが目で見て汚れているとき | 距離に関係なく即清掃 |
「汚れたと思ったらすぐ清掃」が鉄則です。サビは見えたときにはすでに進行しています。
なぜチェーン清掃が必要なのか?放置のリスクとは
バイクチェーンはエンジンの動力をリアタイヤに伝える重要なパーツ。
このチェーンに泥・砂・雨水・金属粉などが付着したままだと、以下のようなトラブルを引き起こします。
主なリスク
• 摩耗が早まる(チェーンやスプロケットの寿命が縮む)
• サビが発生し固着する(伸びやすくなり異音の原因に)
• 駆動ロスが増える(加速が鈍くなり燃費が悪化)
• 最悪の場合チェーン切れ・転倒につながる
チェーンが切れると、リアタイヤに絡んでホイールロック→転倒という事故になるケースも報告されています。
清掃は「面倒だから」では済ませられない、安全のための最低限のルールです。
チェーン清掃の基本ステップ
では、実際のチェーン清掃はどうやるのか?
以下に初心者でもできる基本的な5ステップを紹介します。
用意するもの
• チェーンクリーナー(パーツクリーナー可)
• チェーンブラシ(または歯ブラシ)
• ウエス(使い捨て布)
• チェーンルブ(専用潤滑剤)
• スタンド(あると便利)
清掃手順
1. バイクを安定させる
センタースタンド、もしくはリアスタンドで後輪を浮かせると作業しやすいです。
2. チェーンにクリーナーを吹きかける
リンク部分を中心にまんべんなくスプレーします。飛び散り注意。
3. ブラシでこする
汚れや油分、砂粒などを丁寧に落とします。Oリングチェーンなら強くこすりすぎないよう注意。
4. ウエスで拭き取る
クリーナーと汚れをしっかり拭き取ることで、清掃効果が高まります。
5. チェーンルブを注油
外プレートではなく、内側(スプロケットと接触する面)に重点的に噴射。回転させながら全体に馴染ませます。
チェーン清掃に必要な道具一覧|初心者にも揃えやすい基本セット
チェーン清掃は専用工具がなくても実践できますが、あると便利&確実に作業効率が上がる道具がいくつかあります。ここでは、初心者が揃えておくべき道具を目的別にわかりやすく解説します。
① チェーンクリーナー(洗浄用スプレー)
チェーンに付着した古い油・砂・金属粉などを分解し、しっかり落としてくれる専用スプレー。
Oリング対応タイプを選ぶのが基本。Oリングを傷めない中性成分が含まれているものを使いましょう。
② チェーンブラシ(3面ブラシがおすすめ)
専用の3面ブラシがあると、チェーン全体を一気にこすれるため効率的です。硬すぎないナイロン製がベスト。
歯ブラシや古布でも代用は可能ですが、専用品が圧倒的に作業しやすいです。
③ ウエスまたはキッチンペーパー(汚れ拭き取り用)
洗浄後にクリーナーや汚れを拭き取るための布。
使い捨てできるウエスやペーパータオルがおすすめ。自宅にある古タオルやTシャツを再利用してもOK。
④ チェーンルブ(注油・潤滑用)
清掃後には必ず注油を行います。**チェーンルブ(チェーンオイル)**は潤滑性と防錆効果を兼ね備えた専用スプレーです。
製品ごとに「ドライタイプ」「ウェットタイプ」がありますが、街乗り中心ならドライタイプがおすすめ(汚れが付きにくいため)。
⑤ メンテナンススタンド(あれば便利)
リアタイヤを浮かせて回転させられる「リアスタンド」があると、チェーン清掃が非常に楽になります。
センタースタンド付きのバイクなら不要ですが、そうでない場合は検討する価値ありです。
雑学:プロのメカニックは「走行直後」を狙う
プロの整備士はチェーン清掃を「走行直後」に行うことが多いです。
理由は、走行でチェーンの油分が柔らかくなっており、汚れが落ちやすいからです。
また、清掃後すぐに注油することで、ルブが温まった金属表面にしっかり密着し、潤滑効果が長持ちします。
チェーン清掃をサボるとどうなる?実例
あるユーザーの例では、2年間一度もチェーンを清掃せずに放置した結果、以下のような状態に:
• チェーンが赤サビまみれで伸びきっている
• 走行中「ジャラジャラ…」という異音が続く
• スプロケットの歯が削れ、交換費用が2万円超
最終的に、チェーン+スプロケ+リアハブまで交換という高額修理に…。
たった30分の清掃をサボっただけで、大きな出費になることも。
清掃の頻度を忘れないコツ
• スマホのカレンダーで「1,000kmごとにアラート」
• 給油のたびにチェーンを軽く観察する習慣
• ツーリング帰宅後は“チェーンも洗車とセット”と覚える
まとめ:チェーン清掃は命を守るメンテナンス
バイクのチェーン清掃は「面倒」「汚れる」などの理由で後回しにされがちですが、実際は安全走行のために欠かせない作業です。
この記事のまとめ
• 清掃頻度は500〜1,000kmごとが目安
• 雨天やオフロード走行後は即清掃が必要
• サビ・伸び・異音・切断リスクを回避できる
• 清掃+注油のセットが基本
• 継続することでパーツの寿命が延び、コスパも◎
あなたの愛車のチェーンは、今どんな状態でしょうか?
少しでも「汚れてるかも」と感じたら、今すぐチェックしてあげてください。
チェーンの手入れは、バイクへの愛情そのものです。



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